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2005/12/22

幼い子どもたちと私の詩    永瀬清子

 私には息子と娘が2人ずつ、計4人いますので、子どもとの生活に経験が乏しいとは言えませんが、その子どもたちの小さかったとき、私は子どものためにも生活の上でもあまりに息せき切って緊張していた上に、戦争のための大きな苦労もふりかかり、いわば無我夢中で暮らしていました。しかし今、孫は(一緒に暮らしてはいませんが)、7人いて、大きい子はもう高校生になりましたが、その子らの生まれ育っていく上で、とりかえ引きかえ私の前に人間の子どものおもしろさを展開してくれ、私の、子どもというものに対する親しみと愛は急に深まりました。
 つまりそれは彼らに接する私の方が若いときより目が開かれ理解がましてきたことでもあり、生活に落ちつきが生じたことでもありましょう。今一つ、年とるにしたがい、この世の全体が残り惜しくなって、愛着を感じる念がいっそう強くなるということも、たしかにあるように思います。(世の中の定石どおりに)

 「人間の子のおもしろさ」などと言ったら、あるいはふまじめにあたるかもしれませんが、大人の忘れている生(き)のままの姿や、人生への幼い問いかけや、自然に対する驚き、共感などが、私ども大人をハッとさせるような新鮮な発言、発想になってあらわれてくるのです。でも、緊張しすぎている場合にはついそれを受けとらずに走りすぎてしまいます。ですから私はこの年になってはじめてそれらに耳傾け、教えられ、そして書きとめたり、私も子どもと同じような気持ちで書いたりしたのが、この1冊の本になったのです。つまり私と子どもたちの合作の詩集であるとも言えます。
 編んでもらうスェーターの色を、「日に光っているすすきの色」と注文したり、あるいは地球の引力のことで兄弟げんかしたりしたのは、私には全く思いがけないみずみずしい出来事でした。大人が日常のうちにもう慣れすぎてしまっている物事を、子どもはまるで生まれたときのままの気持ちで受けとったり反発したりしているのでした。また、相手が生命のない物であっても、まるで自分と同じ仲間であるかのように思っているときもあります。かわいがっているうさぎの人形の事や、自転車に対しての感じ方がそうです。
 それらはまるで荒唐無稽でばからしいと大人は気にとめなくても、かえって相手の気持ちを思いやる大事な心の要素になっています。また空想力というものが一人の人間にとっても大きな勉強の一つで、小さいときにそれをのばすかのばさないかで、一生が変わってくるとさえ思われます。学校ではこのことをあまり重きを置かないようなのでなおさらです。
 若いお母さま方が、私の書きとめたこれらの詩を見て、おや、うちの子もこうだわ、とか、たしかにあんなこともあった、と思われたら、私はたいへんうれしく思います。
 また、いちばん心配なのは、子どもたちがどのようにこれらの詩を受けとってくれるだろうか、ということですが、自分たちの世界と同じものをここに見たり、共通の夢の幅をひろげたりして楽しんでくれることを心から願っています。つまり楽しいことがいちばん身になり心に残るのですから。
 また、私の希望をいれて堀内誠一氏が絵をおかきくださったこともたいへんうれしいことでした。たぶん私にはじめてのこの絵本は、今年一番のプレゼントになるでしょう。
 (「こどものとも」1981年1月号『ひでちゃんのにっき』折込付録より再録)

永瀬清子(ながせ きよこ)
1906年、岡山県に生まれた。愛知県立第一高等女学校卒業。そのころより同人雑誌「詩之家」「磁場」「麺麭」等の同人に順次参加。東京で深尾須磨子らと交流の後、1949年、郷里岡山に帰り、「黄薔薇」(1952年)、「女人随筆」(1969年)を主宰した。詩集に『永瀬清子詩集』、『あけがたにくる人よ』(以上、思潮社)などがある。宮沢賢治を生前から高く評価した数少ない詩人の一人。1995年逝去。

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1980(昭和55)年度にあったこと

1億円拾得事件:東京の銀座3丁目の昭和通りで通行人が風呂敷包みに入った現金1億円を拾得。警察に届けたが落とし主は現れず、最終的に拾い主のものになった。(4月)
衆議院、大平内閣不信任決議案を全野党賛成、自民党非主流派欠席で可決。衆議院解散。(5月)
韓国、光州市で民主化を求める市民・学生のデモ隊を戒厳軍が武力で制圧し死者多数を出す。(光州事件)(5月)
張本勲が22年間で日本初の3000本安打達成。(5月)
総選挙中に大平首相が心筋梗塞で急死。衆・参同日選挙で、自民党、安定多数を獲得し圧勝。(6月)
第22回オリンピック・モスクワ大会が開催されるが、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する米国・日本・中国などがボイコットしたため81ヵ国の参加にとどまった。(7月)
富士山の9合目付近で大規模な岩崩れが発生。8合目から6合目にいた登山客12人が死亡し、31人が重軽傷を負った。(8月)
静岡駅前地下街でガス漏れによる大爆発事故。15人死亡、233人重軽傷。(8月)
ポーランド、グダニスクの造船所で自由化を求める労働者16000人参加のスト。自主管理労組「連帯」の結成、スト権の保障の獲得へと発展。(8月)

富士見産婦人科病院乱診事件:埼玉県所沢市の富士見産婦人科病院での無免許診療や不必要な子宮、卵巣の摘出手術などで、理事長と院長逮捕。被害者は約900人におよんだ。(9月)
イラン・イラク、国境問題・シーア派スンニ派対立などから全面戦争に突入。(9月)
出版物の新再販制度がスタート。出版社の意志で新刊書の値引き販売が可能となる。(10月)
山口百恵、武道館でのコンサートを最後に引退。(10月)
米国大統領選挙、共和党のレーガンがカーター現大統領を大差で破る。(11月)
栃木県川治温泉で「プリンスホテル雅苑」全焼。45人死亡。(11月)
ジョン・レノンがニューヨークで射殺される。(12月)
ローマ法皇ヨハネ・パウロ2世が初来日。(2月)
ピンク・レディーの「さよならコンサート」が後楽園球場でおこなわれ約3万人が集まる。(3月)


主なベストセラー:『シルクロード』NHK取材班他(日本放送出版協会)、『項羽と劉邦』司馬遼太郎(新潮社)、『ノストラダムスの大予言2』五島勉(祥伝社)、『蒼い時』山口百恵(集英社)
テレビ:『お笑いスター誕生!』(NTV)、『笑ってる場合ですよ!』(フジテレビ)、『NHK特集−シルクロード』(NHK)、『ドラマ人間模様・夢千代日記』(主演 吉永小百合・NHK)など放送開始。
新商品:スポーツドリンク「ポカリスエット」(大塚製薬)、温水洗浄便座「ウォシュレット」(東陶機器)、立体パズル「ルービック・キューブ」(ツクダオリジナル)、湯沸かし機能付きポット「わきたて」(タイガー魔法瓶)、
ヒット曲:『ダンシング・オールナイト』もんた&ブラザーズ、『異邦人』久保田早紀、『大都会』クリスタルキング
この年に登場したもの:「降水確率予報」(気象庁)、「コレクトコール・サービス」(電電公社)、「宙返りコースター」(向ケ丘遊園地)

福音館書店では:「幼児絵本シリーズ」(「年少版こどものとも」の傑作集)刊行開始。『どうすればいいのかな』『いただきまあす』『こんにちは』(6月)

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福音館書店から(第25回)

 日本列島各地をおそっている豪雪により、不自由な生活を強いられているみなさまにお見舞い申しあげます。
 さて、来週金曜は小社の年末・年始休業(12月29日~1月4日)に入りますので、このブログもお休みさせていただきます。本日が今年最後の回となりましたが、今回で50年のちょうど半分、300号までの「こどものとも」バックナンバーを紹介したことになります。年明けから、このブログは後半に突入です。
 現在「こどものとも」本誌のほうは、すでに2006年2月号(通巻599号)が発売されており(年末進行ということで早いのです)、次号(2月初旬発売)でいよいよ600号。今まさに「こどものとも」の半世紀が終わり、次の半世紀が始まろうとしています。
 お正月のお休みのあいだにでも、このブログをもう一度ゆっくりご覧いただき、「こどものとも」の歩みに思いをはせていただければ幸いです。

 「こどものとも」原画展は、いよいよ明日12月23日から、新潟市の新潟県立万代島美術館で始まります。吹雪の中で最後の準備が進んでいます。天候が回復しましたら、皆様どうぞ足をおはこびください。
 詳細につきましては、新潟県万代島美術館のホームページよりどうぞ。

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ひとりぼっちの りんごのき

1980年4月号
030289

三原佐知子 さく なかのひろたか え

ある農家のそばに生えている小さなリンゴの木は、大きなリンゴの木でいっぱいのリンゴ園にいきたくてしかたありません。春、まっ白に咲いた花に集まったミツバチにたのんでも、秋、赤く実った実を食べにきたカラスにたのんでも、リンゴ園にいくのは無理でした。でも、冬が過ぎ、翌年の春、小さなリンゴの木は、自分のまわりに新しいリンゴの木の芽が顔を出しているのに気づきました。

「こどものとも」289号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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せかいいちの おんどり

1980年5月号
030290

松野正子 さく 太田大八 え

メンドリとアヒルとイヌが仲良く暮らしていた庭に、1羽のりっぱなオンドリがやってきました。みんなが仲良くしようとしても、オンドリは、自分は世界一りっぱなオンドリだといって、いばってばかり。メンドリもアヒルもイヌもだまってひっそりと暮らすようになりました。ところが夏の暑い日、オンドリはアヒルのまねをして池に入って溺れてしまいます……。

「こどものとも」290号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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こじかのつよし

1980年6月号
030291

西山登志雄 さく みねむらかつこ え

開園準備中の動物園にやってきたシカの中に、生まれたばかりの子ジカがいました。「つよし」と名付けられた弱々しい子ジカを、園長さんの一家と飼育員たちは、毛布にくるんで暖めたり、哺乳瓶でミルクを飲ませたり、親身になって育てます。元気に大きくなったつよしは、庭に出され、やがてシカの群れにもどされることに……。実話をもとに動物園の園長さんが書いたお話です。

「こどものとも」291号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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くらやみえんのたんけん

1980年7月号
030292

石川ミツ子 さく 二俣英五郎 え

夕方、お母さんのお迎えを待っていたつとむとたくは、先生が明日の誕生会の準備で台所にいっているあいだ、部屋の電気を消して、暗くなった子ども園の探険を始めました。シーツをかぶってお化けのまねをした二人が歩いていくと、廊下の隅にはオレンジ色の二つの光がまたたき、階段ではカーテンがふわりとめくれあがり、玄関はぎぎいと鳴って黒い二つの影が……。

「こどものとも」292号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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とおい みなみのしま

1980年8月号
030293

加納 登 さく・え

海に囲まれた小さな南の島で、ある日、隣の島へいくため人々は飛行機に乗りました。おみやげのニワトリやブタをもったおじさんや、自分の守り神の白いヘビをつれたおばあさんもいます。しかし、空の上で飛行機は急にエンジンが止まって海に不時着し、みんなはゴムボートで漂流をはじめました。お腹がへってきたので、ニワトリやブタを食べ……。おおらかなお話と絵が魅力の絵本です。

「こどものとも」293号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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おみせ

1980年9月号
030294

五十嵐豊子 え

あげたてのコロッケを売り、ケースに精肉やハムが並ぶ肉屋。白いタイルの台の上にさまざまな魚や切り身がびっしりと並ぶ魚屋。竹ぼうきやシュロのほうきが立てかけられた荒物屋。傘屋、本屋、呉服屋、菓子屋、たたみ屋……。全国各地に取材したスケッチにより、昔ながらの町並みを現在まで伝えてきたたくさんの店が登場する、文字のない絵本。『えんにち』に続く、五十嵐豊子の第2作。

「こどものとも」294号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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そばがらじさまと まめじさま

1980年10月号
030295

日本の民話 小林輝子 再話 赤羽末吉 画

ある日、川に魚をとりにいった2人のじさまのところに、1匹のイヌが流れてきました。そばがらじさまは川の中に投げ捨てましたが、まめじさまは助けあげて育てることにしました。大きくなったイヌを連れて、まめじさまが狩りにいくと、イヌはアオジシ(カモシカ)を次々つかまえました。それをうらやんだそばがらじさまは……。「花咲かじい」の原型といわれる「雁取りじい」の昔話。

「こどものとも」295号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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きつねきいちと いたちきょろきょろの おはなし

1980年11月号
030296

とみたふさえ さく はまなかのぶひさ え

ユグーさんはニワトリのぴいよがいなくなったので、キツネのきいちとイタチのきょろきょろに、見つけてくれたらあぶらげとイワナをお礼にあげるという看板を出しました。看板を見た2匹はそれぞれぴいよを探しますが、森の中で出会って、自分が先に見つけようと大げんか。そのとき落ち葉にくるまって寝ていたぴいよを見つけて……。病床にあった画家とその妻が共同制作した絵本。

「こどものとも」296号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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てっちゃん けんちゃんと ゆきだるま

1980年12月号
030297

おくやまたえこ さく・え

てっちゃんとけんちゃんが山に遊びにいくと、雪の野原の中に、つららの柵に囲まれた雪の家がありました。入ってみるとそこは雪だるまの家でした。2人はつららをくべた囲炉裏のまわりでかき氷をごちそうになったり、外に出て雪だるまの子たちとすもうをとって、汗だくになって遊びました。でも暖かくなると、雪だるまの子たちは元気がなくなって……。『66このたまご』の作者の第3作。

「こどものとも」297号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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ひでちゃんの にっき

1981年1月号
030298

永瀬清子 さく 堀内誠一 え

お正月のごちそうのなかのしっぽのあるまるいもの。小人の洗濯物みたいな春の梅の花。鉄棒から落ちてしまったのは遠い雲の底。はじめてリールで釣りをしてかかった小さな赤いうれしいタイ。山で見た、露をつけたクモの巣のハンモック。ほしいのは日に光るススキの色のセーター……。ひでちゃんという子どもの視点を借りて詩人永瀬清子が15編の詩を書き、堀内誠一が絵日記の体裁で絵をつけました。

「こどものとも」298号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

作者永瀬清子さんのエッセイはこちらをご覧ください。

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マフィンおばさんのぱんや

1981年2月号
030299

竹林亜紀 さく 河本祥子 え

マフィンおばさんのパン屋で手伝いをしていた男の子アノダッテは、ある夜、自分ひとりでパンをつくってみようと思いました。ふだん見て覚えたとおりのやり方で、町のみんなに食べてもらおうと大きなパンだねをこね、かまどいっぱいに押し込んで焼き出すと、パンはどんどんふくらんで、家の屋根裏までいっぱいに……。香ばしいパンのにおいがただよってくるような絵本です。

「こどものとも」299号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1996年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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らいおん はしった

1981年3月号
030300

工藤直子 さく 中谷千代子 え

ライオンはみんなとあいさつや話をしたくて近づくだけなのに、いつもみんなは逃げたり、助けを求めて叫んだりします。それがくやしくてライオンはそんな動物たちを食べていました。ところがある日出会った1匹のシマウマは、初めてライオンにあいさつをしてくれ、ゆっくり話を聞いてくれたのです。2匹は友だちになりました。柔らかい色調の絵が、心にしみる物語を彩ります。

「こどものとも」300号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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1980年

1980年度は「年中向き」の新作はありません。

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2005/12/16

<作家インタビュー>『ぽとんぽとんはなんのおと』が生まれた日    平山英三

 今から20数年前のことですが、このお話をいただいた時のことは、非常に印象深く覚えています。
 ちょうどそのころ、私は東北の沢内村というところに何年もずっと、四季を通して通い続けていたんです。そこはたいへん雪の多い村だったものですから、雪のこととか、雪国の人の暮らしを見聞きしていました。そんな時にこのお話をいただいたんですね。
 母グマと子グマの会話に登場するシーンというのは、雪国に住んでいると、春の気配を感じるころに、本当に毎日起こっている、あるいは見る、感じる、たいへんリアルなことばかりなんです。作者の神沢さんがそういうことを本当によくご存知なんだとわかって、びっくりしたのを覚えています。

 私は沢内村に通っている時に、雪の研究者の高橋喜平先生のところにいつもおじゃまして、雪のことを教えていただいていました。高橋さんは雪の先生であると同時に、クマのことについてもたいへんおくわしい方で、ツキノワグマのことも教えていただきました。ツキノワグマは冬眠中に子グマをだいたい2頭産むことが多いんだそうですね。そういう話を聞いていたものですから、この本でも、子グマが2頭というのは、すぐに発想できました。
 そのころ、もうひとり、炭焼きをしている近藤さんという人−その人はマタギ(東北地方の伝統的な狩人)なんです。7ページで木を切っている人です。−その方からも、山のことや、クマのことも教えていただいて、とても楽しんでいる時だったんです。
 村には、今はなくなったけれども、当時は茅葺きの民家があって、それをスケッチしました。茅葺きの屋根に百合が生えていて、初夏には百合の花が咲くんです。ひょっとすると木なんかも生えていて秋になると紅葉したり、すすきが穂を出したりする。春は、中に人が住んでいると屋根の方が地面よりあたたかいから、そこから緑になります。他にも、山の風景や植物をスケッチしていました。この絵本では、そういうスケッチをもとにして、描いていけばよかったのです。

 ただ、いまだにこの本を見るたびに、残念でならないんです。というのは、今、私は長野県の北部に住んでいるんですが、たいへん雪が多いので、春になると、『ぽとんぽとんはなんのおと』の世界を、本当にいつも経験していて、毎春この本のことを思い出してね、「ああ、あの場面はこういうふうにすればよかった。こっちの場面はこうすれば……」と思って、私は20何年間、心の中でこの話をまだ描き続けているんです。
 この本の絵を描いていて思ったのは、これ、春近い山のクマの親子の話ですが、これはまた、春をむかえる雪国の母と子の話でもあると思いました。冬、じーっと単調な中にいたところから、春の気配がして春が近いと思うと、気持も明るくなって、活き活きとしてきます。このお話が、雪の中の話でありながら、あたたかく感じられるのは、そういう春をむかえるときの気持が描かれているからだと、私は思います。
  (「こどものとも年中向き」2002年1月号折込付録より一部省略して再録)

平山英三(ひらやま えいぞう)
1933年愛知県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。絵本に『とまとときゅうりさんとたまごさん』(童心社)、『ぽとんぽとんはなんのおと』(福音館書店)、奥さんの平山和子さんとの共作に、文章を担当した『おにぎり』(福音館書店)、平山和子さんの落ち葉の絵を構成した『落ち葉』(福音館書店)、さし絵に『少年動物誌』(福音館書店)、著書に『落ち葉の美術館』(桜華書林)などがある。長野県在住。

12月 16, 2005 1979年, エッセイ | | コメント (0) | トラックバック (0)

1979(昭和54)年度にあったこと

東京都中野区、教育委員準公選条例を公布・施行。(5月)
第5回先進国首脳会議を東京で開催。(東京サミット、7ヵ国の首脳とEC代表参加)(6月)
国際捕鯨委員会、母船式捕鯨の全面禁止を決議。(小型のミンククジラを除く)(7月)
東名高速道路日本坂トンネル(静岡県焼津市)事故。大型トラックなど6台が玉突き衝突し、炎上。7人が死亡し、取り残された173台が焼失。(7月)
千葉県鹿野山神野寺でトラ脱走騒動。トラ3頭が脱走し、1頭は戻ったが、2頭が山中に逃げ込み射殺される。(8月)
第35回衆議院議員選挙(少数激戦選挙、自民は無所属の追加公認により過半数維持の惨敗、共産躍進)(10月)
木曽御岳山が有史以来初めて噴火。(10月)

環境問題で開発が中断されていた南アルプススーパー林道が12年ぶりに完成。(11月)
福岡国際マラソンで瀬古利彦が2連覇、2、3位は双子の宗兄弟。(12月)
アフガニスタンでクーデター、ソ連軍介入。(12月)
自衛隊スパイ事件:自衛隊員3名がソ連大使館武官に、自衛隊の機密文書などを提供していた疑いで逮捕。(1月)
第13回冬季オリンピック・レークプラシッド(アメリカ)大会開催。日本は、70m級ジャンプで八木弘和が銀メダルを獲得。(2月)


主なベストセラー:『天中殺入門』和泉宗章(青春出版社)、『四季—奈津子』五木寛之(集英社)、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』ヴォーゲル(TBSブリタニカ)
テレビ:『機動戦士ガンダム』(テレビ朝日)、『水中花』(主演 松坂慶子・TBS)、『3年B組金八先生』(TBS)、『あ・うん』(脚本 向田邦子・NHK)など放送開始。
新商品:パーソナルコンピュータ「PC−8001」(日本電気)、ヘッドホンステレオ「ウォークマン」(ソニー)、帯電防止剤「エレガード」(ライオン)、無リン合成洗剤(花王石鹸)
ヒット曲:『夢追い酒』渥美二郎、『魅せられて』ジュディ・オング、『おもいで酒』小林幸子
この年に登場したもの:野球テレビ中継での「スピードガン」(NTV)、「省エネルック」(半袖のビジネス・スーツなど)、ガソリンスタンドの日曜祝日休業(通産省の指導)、「中国産マツタケ」(東京築地の中央卸売市場)、「携帯電話」「自動車電話」(東京23区・電電公社)

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福音館書店から(第24回)

 12月というのにすっかり真冬になってしまい、各地で大雪に見舞われていますが、皆様いかがお過ごしでしょう。
 3回ほど前にお知らせしました「こどものとも」原画展が、いよいよ来週の金曜から、新潟市の新潟県立万代島美術館で始まります。準備も着々と進んでいるようです。
 この原画展では、これまでにない多数の原画が集まります。また、『しょうぼうじどうしゃじぷた』などでおなじみの乗り物絵本の第一人者、山本忠敬さんのアトリエの一部を、実際に使われていた机や画材、資料等で再現するという、初公開の展示もあります。
 お近くの方、またこの冬、新潟にお出での方、これから旅行をご計画の方は、ぜひご覧ください。

 詳細については、新潟県立万代島美術館のホームページよりご覧ください。

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ぐりとぐらのえんそく

1979年4月号
030277

なかがわりえこ と やまわきゆりこ

ぐりとぐらは遠足にいきました。お楽しみのお弁当の時間までには、まだ間があるので、マラソンを始めましたが、落ちていた毛糸が足にからまって、転んでしまいました。毛糸を巻いて玉にしながらたどっていくと、ほどけたチョッキを着たくまさんがいました。そこでくまさんといっしょにマラソンをして戻ってくると、ちょうどお昼になったので……。ぐりとぐらの絵本の4冊目です。

「こどものとも」277号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1983年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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あさえとちいさいいもうと

1979年5月号
030278

筒井頼子 さく 林 明子 え

お母さんの留守に妹のあやちゃんと家の前で遊んでいたあさえは、あやちゃんを喜ばせようと夢中で道に絵を描いていました。ところが顔をあげると、いつのまにか、あやちゃんがいなくなっています。あさえは妹をさがして、どきどきしながら、いつもお母さんといく公園に向かって走りました。小さな子どもの心の動きを、文と絵が一体となって緊迫感をもって描きだします。

「こどものとも」278号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1982年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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クレヨンサーカスがやってきた

1979年6月号
030279

鴨居羊子 さく・え

腹ぺこでさまよっていたオオカミの子が、小さなサーカスの一座「クレヨン座」の仲間に入ることになりました。少しずつ芸を覚えますが、なかなかうまくいきません。走ることと跳ぶことなら得意なのにと思っていました。クレヨン座もようやく人気がでてきたある日、オオカミの子は舞台で大きくジャンプすると草原に向かって……。服飾デザイナーとして著名な鴨居羊子が色彩豊かに描きました。

「こどものとも」279号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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ぼくのさんりんしゃ

1979年7月号
030280

津田櫓冬 さく・え

ひろしは自転車を買ってもらったので、三輪車をゴミ置き場にすててきました。翌日、雨に打たれている三輪車を見たひろしがゴミ置き場にいくと、トカゲやカタツムリ、ネズミやモグラやイヌが次々やってきては、三輪車をゆずってくれといいます。ひろしはみんな断りましたが、最後にうなり声をたててやってきたのは……。動物たちの三輪車の使い方に想像の世界が広がります。

「こどものとも」280号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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だいちゃんとうみ

1979年8月号
030281

太田大八 さく・え

夏休み、だいちゃんは海の近くに住むいとこのこうちゃんの家に行きました。朝早く、船着き場にいって漁師のおじさんから漬け物と交換に魚やエビなどをもらいます。朝ご飯が終わると、小川でカワエビをすくい、それを餌に海に出て魚を釣り、お昼には浜辺で“みな”という貝を採って“みなめし”を炊きます。作者の子どものころの夏の海辺の生活をいきいきと描きだします。

「こどものとも」281号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1992年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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よるのびょういん

1979年9月号
030282

谷川俊太郎 作 長野重一 写真

夜になり、おなかが痛くなって高い熱の出たゆたかは、救急車で病院に運ばれました。当直の先生が素早く診察し、X線検査と血液検査がおこなわれて、虫垂炎と診断され、手術することになりました。お父さんも夜勤から駆けつけてきます。やがて手術も無事に終わりました。夜の病院で働く人々の活躍をドキュメンタリータッチで描いた写真絵本です。

「こどものとも」282号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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くさやきのうた

1979年10月号
030283

おくやまたえこ さく・え

春、カタクリの花が咲く林では草や木の芽が顔を出します。やがてタンポポの花が咲き、ミツバチが花に群がり、木の葉がぐんぐん広がるころ、キジバトの夫婦は巣をつくります。季節がめぐり、木や草が成長すると、動物や昆虫たちは木や草を巣や隠れ家にしたり、遊び場にしたり、実を採ったりして過ごします。草木や虫や小動物の姿を精確なスケッチに基づき、柔らかなタッチで描きだします。

「こどものとも」283号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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パンのかけらとちいさなあくま

1979年11月号
030284

リトアニア民話 内田莉莎子 再話 堀内誠一 画

小さな悪魔は、貧乏なきこりからパンのかけらを盗んで得意になっていましたが、大きな悪魔たちにたしなめられ、おわびに、きこりが借りた役に立たない沼地を畑に変えることにしました。小さな悪魔は、大きな木をひっこぬき、沼の水を飲みほして、見事な麦畑にします。ところが、それを見た地主が収穫した麦を全部もっていってしまったので……。知恵を働かせ富をもたらす小悪魔の昔話。

「こどものとも」284号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1992年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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ちいさなろば

1979年12月号
030285

ルース・エインワース 作 石井桃子 訳 酒井信義 画

クリスマス・イブの夜、ひとりぼっちの小さなロバのところにサンタクロースがやってきて、足を痛めたトナカイのかわりをしてほしいと頼みました。小さなロバは喜んで、1頭のトナカイに替わって橇を引き、サンタクロースが子どもたちにプレゼントを配る手伝いをしました。次の朝、小さなロバが目を覚ますと、小屋に白いロバが立っていました。一番ほしかった友だちをもらったのです。

「こどものとも」285号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は2002年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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ぬくぬく

1980年1月号
030286

天野祐吉 作 梶山俊夫 画

体じゅうに藁をまきつけた寒がりの妖怪ぬくぬくは、山に雪が降ると里にやってきて、通りかかる人に身をすり寄せてきます。ぬくぬくに出会った人は三日は寝込んでしまうのですが、ある日出会った女の子は、体をすり寄せても驚かず、にこにこついてきました。ぬくぬくは困ってしまいますが、やがて寝てしまった女の子を背負うと里に向かい……。結末は読む者の心も温かくなる物語です。

「こどものとも」286号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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ぽとんぽとんはなんのおと

1980年2月号
030287

神沢利子 さく 平山英三 え

冬ごもりの穴の中で、クマの母さんはふたごの坊やを産みました。坊やはおっぱいを飲んで少しずつ大きくなり、外から聞こえるさまざまな音は何の音とたずねます。「かーんかーん」というのは木こりが木を切る音、しーんと静かなのは雪が降っている時、「つっぴいつっぴい」は、お天気でヒガラが歌う声、そして「ぽとんぽとんってなんのおと?」それはうれしい春の兆し。

「こどものとも」287号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1985年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。
画家平山英三さんのインタビューはこちらからご覧ください。

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やこうれっしゃ

1980年3月号
030288

西村繁男 さく

寒い冬、お父さんとお母さん、男の子と赤ちゃんは、ターミナル駅から北に向かう夜行列車にのりこみます。列車が出発し、夜通し走り、朝到着するまでを、横長の画面いっぱいに、寝台車、普通車、グリーン車など各車両の中のさまざまな人々の様子とともに描いた、文字のない絵本。終着駅にはおじいさんとおばあさんが迎えにきていました。

「こどものとも」288号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1983年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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1979年

1979年度は「年中向き」の新作はありません。

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2005/12/09

<作家インタビュー>『はるにれ』が生まれた日    姉崎一馬

 この木を見た時、「あ、僕は長い間この木との出会いを待ってたんだ」とわかったんですね。
 僕はたくさんの人に森林のことを知ってほしくて、森林の写真を撮っていたんです。自然保護運動からスタートした発想なんですが。でも森林というのは、普通の人にはすぐにはとっつきにくいですよね。だからまず、だれでも感情移入できるような、シンプルでわかりやすい木の本を作ろうと思っていました。大きな木と、そのまわりの草花や昆虫、動物といったものも登場させたりして、その中で木が四季にどんな変化をしているか、そんな本ができればいいな、と思って絵コンテを描いたんです。でも、実際にそんな木があるか、あてがあったわけではなくて。で、「じゃあ、この木はいったいどこにあるんだ?」となった(笑)。
 ふだんから図鑑の仕事などであちこちの国立公園などに写真を撮りにいっていたので、そういう木がないかと探してたんです。それで何本か、「この木だったらひょっとしてできるかな」というのを見つけて、「これはカエデだから秋はきれいだ」とか「サクラだから春はよさそうだ」と思って撮影していたんですが、何かいまひとつ、ピンとはこなかったんですよ。

 そんなある時、北海道で悪天候にあって、十勝川の広い河川敷で、車の中に泊まっていたんです。その次の朝、とてもいい天気になったんですよ。そして上流に移動を始めた時、遠くの方に、ぼぉーっと、このはるにれの木が見えたんです。その瞬間、僕がこの木との出会いを待っていたことがわかった。
 近づいていったら、やっぱり僕が心の中に描いていたのと寸分違わない木なんです。それは、人生の中のひとつの道標に出会った、航海の船が島を見つけたような、そんな感激がありましたね。それで、それまで撮っていた他の木のことを、いっさい忘れちゃいまして。
 でも、当時は写真を始めたばかりでお金もなくて。本当は1年くらいこの木のそばにいたい。せめて月に何度かこられれば、うまく撮影できたんでしょうけど。東京でアルバイトして、お金がたまったらまた撮影にくる、ということをしてましたから、結局この木を撮るのに4年近くかかってしまったんですね。
 この河川敷は牧草地で、時々牛を放牧していたんです。だから、この本の月夜のページにも、よく見ると牛がいます(笑)。雪が降っているページがありますが、これなんかもう、全然撮れなかったんですよ。十勝って気温が低くて、雪が細かいんです。粉雪で、小麦粉まいてるんじゃないかっていうくらい、小さなつぶ。写らないんですよ。これはだめかと思いましたね。11月だったら、気象条件によっては雪のつぶが大きい日もあるんじゃないかと、そういう時に何度も通って撮りました。ただ、この木を撮影していた時間というのは、僕の人生の中では非常に幸福な時間だったと思います。
 この河川敷は、もともと原生林だったそうです。この本が出た後で、ここを最初に開拓した方からお電話をいただきました。その人が牧場として利用しようと森の木を切っていった。だけどこの木に出会った時に、本当に神々しさを感じて、「この木は切れない」と思ったそうなんです。
 (「こどものとも年中向き」2002年3月号折込付録より一部を再録)

姉崎一馬(あねざき かずま)
1948年、東京に生まれる。少年時代を、北海道の札幌市郊外で過ごし、生物の世界にひかれて写真を撮りはじめる。東京農業大学造園学科卒業後、フリー写真家。理科や社会の事典、図鑑などの仕事のかたわら、博物誌的な自然観でとらえた自然写真を撮り続けている。『はるにれ』がはじめての写真絵本。ほかに『なつのかわ』(福音館書店)、『雑木林』『ブナの森』『姉崎一馬の新自然教室』(以上、山と溪谷社)、『ふたごのき』(共著・偕成社)などがある。学生の時から続けている子どものための自然体験教室を、現在山形県の朝日連峰山麓でおこなっている。

12月 9, 2005 1978年, エッセイ | | コメント (1) | トラックバック (0)

1978(昭和53)年度にあったこと

キャンディーズさよならコンサート(後楽園球場)に5万人が集まる。(4月)
東京池袋に日本最高の60階建て「サンシャイン60」が開業。(4月)
大韓航空機が北極圏を飛行中にソ連の領空を侵犯したとして強制着陸させられ、銃撃戦で日本人1人を含む2人が死亡。(4月)
新東京国際空港(成田空港)開港。(5月)
宮城県沖地震、仙台を中心に東北・関東地方を襲う。死者28人、負傷者1325人。(6月)
東京両国の「隅田川花火大会」が17年ぶりに復活。(7月)
日中平和友好条約調印。(8月)
京都の市電が全廃される。(9月)
青木功がゴルフの世界マッチプレー選手権で日本男子初の海外優勝。(10月)

南米ガイアナで新興宗教「人民寺院」の914人が集団で服毒自殺。(11月)
江川卓がプロ野球ドラフト制度の「空白の1日」を主張し巨人と入団契約したが認められず、球界紛糾。(交渉権を得た阪神にいったん入団し、巨人の小林繁選手とトレードして巨人入りすることとで決着。79年1月)(11月)
第一次大平正芳内閣成立(12月)
米国のダグラス社とグラマン社が航空機の売り込みに関連して日本政府高官などへ販売促進料やコンサルタント料として多額の手数料を支払っていた疑惑が発覚。「第二のロッキード事件」として政界を揺るがした。(1月)
大阪の三菱銀行北畠支店に猟銃を持った男が押し入り人質をとってたてこもり、行員2人、警官2人を射殺。犯人は射殺された。(1月)
渡部絵美が世界フィギアスケート選手権で、日本女子初の銅メダル獲得。(3月)


主なベストセラー:『和宮様御留』有吉佐和子(講談社)、『不確実性の時代』ガルブレイス(TBSブリタニカ)、『不毛地帯』山崎豊子(新潮社)
テレビ:『銀河鉄道999』(フジテレビ)、『西遊記』(出演 夏目雅子・堺正章・西田敏行・岸部シロー他・NTV)、『演歌の花道』(東京12チャンネル)、『熱中時代』(主演 水谷豊・NTV)など放送開始。
新商品:ウェットティッシュ(和光堂)、レーザーディスク・プレーヤー(パイオニア)、ステンレス製魔法瓶(日本酸素)
ヒット曲:『UFO』『サウスポー』『モンスター』ピンク・レディー、『君のひとみは10000ボルト』堀内孝雄、『微笑がえし』キャンディーズ
この年に登場したもの:ゲーム「スペースインベーダー」(タイトー)、米国産サクランボ(輸入自由化)、初の日本語ワードプロセッサー(東芝)、「いい日旅立ち」キャンペーン(国鉄)

福音館書店では:少年少女向き物語シリーズ「福音館土曜日文庫」刊行開始(『ゲラダヒヒの紋章』『スッパの小兵太』4月)

12月 9, 2005 1978年, そのころあったこと | | コメント (1) | トラックバック (0)

福音館書店から(第23回)

 先週発売いたしました50周年記念出版『おじいさんが かぶを うえました−月刊絵本「こどものとも」50年の歩み』は、おかげさまでたくさんのアクセスとご購入をいただいております。また、『こどものとも復刻版』『こどものとも世界昔ばなしの旅』もたいへんご好評をいただき、発売3ヵ月になりますが、順調に販売されております。
 これらの「こどものとも」創刊50周年記念商品のすべてが掲載されているパンフレットも、ホームページからお申込みいただけますので、ぜひご利用ください。

 来年1月には、「こどものともセレクション」(全15冊)を刊行いたします。この企画ではこれまでにご要望の多かった絵本をできるだけ復刊するようにいたしましたが、現在公開中のこのブログに対しても、皆様からたくさんのコメント、トラックバックをいただき、その中で個々の作品に対して復刊のご要望も多数いただいております。これらのご意見は今後の「こどものとも傑作集」や復刊企画の参考として是非活用させていただきたいと考えていますので、これからもどしどしご意見をお寄せください。よろしくお願いします。

12月 9, 2005 福音館からのお知らせ | | コメント (0) | トラックバック (0)

ひつじのむくむく

1978年4月号
030265

村山桂子 さく 太田大八 え

ヒツジのむくむくは、畑で種まきをしているお百姓に、「おじさんあそんでよ」といいますが、「だめだめ、わたしはいそがしい」と遊んでもらえません。おかみさんもメウシもブタもメンドリも、みんないそがしがって遊んでくれません。しかたなく道を歩いていると、オオカミが「森へいって遊ぼう」といったので、むくむくはついていってしまいます。危機一髪で助けにきてくれたのは……。

「こどものとも」265号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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ねずみたいじ

1978年5月号
030266

西内みなみ 作 和歌山静子 画

海辺の村にのんびり暮らしているおじいさんとネコの家に、ネズミがやってきました。ネズミは天井裏に住みつき、おむすびやめざしから米俵、しまいには家財一切を持っていってしまいます。ネコはネズミにまったくたちうちできず、どこかへ出ていこうかと考えますが、おじいさんはあわてず騒がず、火事よりはずっとましだといいます……。『のんびりおじいさんとねこ』の第2作。

「こどものとも」266号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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でんしゃがはしる

1978年6月号
030267

山本忠敬 さく・え

山手線の電車は東京の町をぐるぐるまわって走っています。外回りの電車は品川駅を出ると、京浜急行と立体交差、貨物列車とすれちがい、五反田駅では池上線と、目黒駅では目蒲線と出会います。渋谷、新宿、池袋、上野、神田、東京……と、山手線の電車がいろいろな電車とすれ違ったり、併走したりしながら、一周する様子を、山本忠敬が描きます。

「こどものとも」267号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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七がつエイサー

1978年7月号
030268

儀間比呂志 作・画

ぱあらん、ぱあらん! 沖縄のやんばるに住むヌマガエルが太鼓をたたいて踊ります。太鼓をたたけば害虫がころりと落ちる。豊年満作を願い、ご先祖様に感謝する沖縄の盆踊り「七月エイサー」。動物も人間もいっしょになってにぎやかに太鼓をたたき、歌い踊ります。沖縄のバイタリティあふれる祭りの雰囲気を存分に伝える絵本です。

「こどものとも」268号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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せんたくかあちゃん

1978年8月号
030269

さとうわきこ さく・え

いいお天気のある日、洗濯が大好きなせんたくかあちゃんは、家中の洗濯物をすっかりあらってしまうと、イヌもネコもニワトリも子どもたちも、みんなつかまえて洗濯してしまいました。全部ほしたところに雷が鳴って、かみなりさまが落ちてきました。せんたくかあちゃんがかみなりさまも洗濯してしまうと……。さとうわきこの「こどものとも」でのデビュー作です。

「こどものとも」269号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1982年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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とぶ

1978年9月号
030270

谷川俊太郎 作 和田 誠 画

空を飛ぶ夢を見たまことは、次の朝、空が飛べるような気がして、軽い気持で走ってみると、ふわりと空に浮かびます。だんだんコツをつかみ、牧場の上、町の上を飛び、雲の中を泳ぎます。おしまいに宙返りして着地。友だちのあこちゃんに「どうやったら空を飛べるの」と聞かれたまことは……。『あな』に続く谷川・和田コンビの「こどものとも」第2弾。

「こどものとも」270号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は、こどものとも創刊50周年記念出版「こどものともセレクション」の1冊として刊行されました。

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はじめてのおきゃくさん

1978年10月号
030271

田中秀幸 作・画

若いコックさんが町はずれに小さなレストランを開店しましたが、お客さんはひとりもきません。はじめて注文を受けてホットケーキを森の小屋に届けると、イノシシやキツネやウサギなど動物たちが集まってクマさんの誕生祝いをしています。でもホットケーキ1皿だけではと思ったコックさんは、みんなをお店に招待して、腕をふるってごちそうをたくさん作ります。

「こどものとも」271号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします

1978年11月号
030272

ささきまき さく・え

ムッシュ・ムニエルはヤギの魔術師。たいへんいそがしいので、町の少年をひとりさらって弟子にしようと、小さな瓶を変な魚の姿を変えて空に放ちます。目をつけられた少年は仲良しの少女と夕方の波止場で船を見ていましたが、魚の形のふしぎな舟が海の中から浮かびあがってきたので、乗ってみたくなり……。ユーモラスでちょっと不気味なムッシュ・ムニエルの登場する第1作目の絵本です。

「こどものとも」272号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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かじやとようせい

1978年12月号
030273

スコットランドの昔話 三宅忠明 再話 荻 太郎 画

むかしある村に鍛冶屋が住んでいました。その息子が病気になり、いつまでたってもよくならないので、心配になった鍛冶屋が物知りの老人にたずねると、息子は妖精と入れ替わっているのかもしれないといわれます。老人のいうとおりに正体を現した妖精を追い出すと、鍛冶屋は連れ去られた息子を取りもどしに、妖精の丘に向かいます。スコットランドの神秘的な昔話です。

「こどものとも」273号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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はるにれ

1979年1月号
030274

姉崎一馬 写真

草原に一本だけ立つはるにれの大木。朝の光をあびて青空にそびえ、暮れなずむ夕映えの空にシルエットを浮かびあがらすはるにれ。冬の吹雪に耐え、雪原にたたずむはるにれ。春が訪れ、葉を繁らせるはるにれ。一本の大木の四季の姿、様々な時刻、様々な天候の中の姿を写した写真で構成した、文字のない絵本です。自然の驚異に目を瞠らせるとともに、ふしぎな安らぎをあたえてくれます。

「こどものとも」274号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1981年に「日本傑作絵本シリーズ」の1冊として刊行され、現在も販売されています。
著者姉崎一馬さんのインタビューはこちらからご覧ください。

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おはよう ミケット

1979年2月号
030275

パトリス・アリスプ さく・え やまぐちともこ やく

ぬいぐるみのネコのミケットといつもいっしょの女の子。朝ごはんもトイレも着替えも、公園のすべり台の逆のぼりも、いつでもいっしょ。でも、おつかいにいったらミケットがいなくなっちゃった。でも大丈夫、おもちゃ屋さんの自転車にのっていた。夜は夢の中でも……。フランス人画家が娘の日常の姿を愛情を込めて描いた「こどものとも」オリジナル作品です。

「こどものとも」275号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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げんたとやまんば

1979年3月号
030276

松野正子 さく 平山英三 え

山奥に住むげんたは、塩売りじいさんがきたらそば粉と塩をとりかえてもらうよう母さんにいいつけられました。ところがじいさんがもってきたお面がほしくなってそば粉ととりかえてしまいます。両親にしかられたげんたは、お面をかえしにじいさんを追っていきましたが、藪の中で山姥にさらわれてしまいます……。知恵と勇気で山姥をうち負かす、元気な男の子の物語です。

「こどものとも」276号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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1978年

1978年度は「年中向き」の新作はありません。

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2005/12/02

新しい物語絵本の展開(2)    時田史郎

 前回ご紹介した『はじめてのおつかい』は、「こどものとも」1976年3月号でしたが、今回ご紹介するのはその次の号、1976年4月号の『こすずめのぼうけん』です。
 この物語は、石井桃子さんが1974年5月に岩波ホールで行った講演のなかで、「イギリスの作家たちのものを読んでいると、じつによい幼児のためのお話を書くひとがあるので驚きますが、(中略)そういうお話の例として」紹介されたものです。その速記録を読んだときの小躍りしたくなるような気分をいまでも覚えています。こういう物語こそ、「こどものとも」で絵本化したいと思いました。(この講演はのちに加筆訂正されて「子どもの館」(1975年1月号、福音館書店)に掲載されました)
 この物語には幼児のためのすぐれたお話(文学)がもっている要素、発端の必然性、繰返しと繰り返されるたびに高まっていく緊張感、幸せな結末、そして、それらの要素ひとつひとつにリアリティー(絵空事でなく、実際にあったかのような、あるいは実際あってもおかしくないという真実味)があり、石井さんが講演のなかでわざわざとりあげた理由もよくわかります。

 そこでまず、石井さんに絵本化の許可をいただき、原作者の使用許可も受け、石井さんとも相談のうえで、堀内誠一さんに絵をお願いすることにしました。
 堀内さんは当時パリに住んでいらっしゃいましたが、私は「こどものとも」の編集長を引き受けたときから、幼い子どもにとってほんとうに好ましい物語絵本のあり方といったことについて、手紙でいろいろ教えていただいていました。ある手紙に「やはり、(物語絵本の)基本となるのは、テキストというか、コトバだと思います」と書かれていました。さまざまな作家の、さまざまなテキストに絵をつけて、子どもたちに歓迎される絵本を数多く創ってきた画家堀内誠一さんの心からの言葉だと思いました。
 そして、石井さんの訳されたこのテキストだったら堀内さんも気に入ってくださり、この物語にふさわしい絵を描いてくださるに違いないとの確信が、その時の私にはありました。

 しかし、「この物語にふさわしい絵」と語ることは簡単ですが、画家の実際の仕事はそう簡単なことではありません。堀内さんは、どんな絵がこの物語にふさわしいのか、幾度も幾度もスケッチをし、構想を練り上げ、時には描きあげた絵さえ廃棄して描きなおすといったことを繰りかえして、描きあげてくださいました。一例をあげれば、さきほど申しあげたようにこの物語の素晴らしさのひとつにリアリティーということがあげられますが、だからといってあまりにも写実的な絵では、物語のおもしろさが生き生きと伝わってきません。どこまで現実の「すずめ」なり、物語の舞台となっている「田園」をデフォルメするのが好ましいのか、堀内さんはそのバランスにずいぶんと苦心なさっていました。物語を解釈し、ときには解説し、ときには膨らませ、しかも全体として抑制をきかせながら、子どもの心に届く魅力的な絵本と仕立てていくことはなかなかたいへんな作業だとあらためて感じました。
 しかし、完成した『こすずめのぼうけん』を手にとって見ると、この物語には、この絵しか考えられないという思いがします。堀内さんが最初からこの表現方法を思いつかれ、一気に描きあげられたようにしか思えません。ほんとうに優れた絵本というものは、きっとそういうものだと思います。

 ところで、物語絵本では、絵の印象でその良し悪しが語られることも少なくありませんが、絵の良し悪しを決定づけるのは、なんといっても物語の質だと思います。もとになる物語が画家の制作意欲をかきたてるような質のものでなければ、適当に描かれた絵しか望めないでしょう。そういう意味でも堀内さんの「やはり、(物語絵本の)基本となるのは、テキストというか、コトバだと思います」という言葉は、物語絵本を考える時の重要なポイントだといえるでしょう。

時田史郎(ときた しろう)
1943年、東京に生まれた。早稲田大学卒業後、福音館書店に勤務。1975年より1983年まで「こどものとも」編集長を務める。民俗学に造詣が深く、特に、昔話と、昔話の採集・再話者であった佐々木喜善の研究をしている。絵本の再話に『うらしまたろう』(福音館書店)がある。神奈川県在住。

12月 2, 2005 1977年, エッセイ | | コメント (0) | トラックバック (0)

1977(昭和52)年度にあったこと

領海法(12カイリ)・漁業水域暫定措置法(200カイリ)公布。(5月)
北海道三井芦別炭鉱ガス爆発事故、25人が死亡。(5月)
樋口久子が全米女子プロゴルフ選手権で日本人として初の優勝。(6月)
和歌山県有田市で集団コレラ感染。99人が感染し、うち真性コレラ患者は23人で1人が死亡。(6月)
第11回参議院議員選挙(自民党過半数維持、与野党逆転せず)。(7月)
ニューヨーク市周辺で2日間にわたり大規模な停電。非常事態宣言発令、パニック状態となる。(7月)
北海道洞爺湖南岸の有珠山が噴火。温泉街周辺に噴石、火山灰が降り、被害甚大。(8月)
エルビス・プレスリーが心臓麻痺により急死(享年42才)。(8月)
世界自転車競技選手権のプロ・スクラッチで日本の中野浩一が初優勝。この後、1986年まで10連覇。(8月)

王貞治が通算756本塁打を記録、H・アーロンの米大リーグ記録を破り、国民栄誉賞の第1号受賞者となる。(9月)
日航機がインド・ボンベイを離陸直後「日本赤軍」の5人にハイジャックされ、バングラデシュのダッカ空港へ強行着陸。日本政府は「超法規的措置」で拘留中の同士9人の釈放と身代金600万ドル支払いを受諾。アルジェで人質解放、投降。(9月)
奥寺康彦、日本人で初のプロ・サッカー選手としてドイツのFCケルンでプレー。(10月)
在日米軍、東京の立川基地を全面返還。(11月)
チャールズ・チャップリンが死去(享年88才)。(12月)
伊豆大島近海地震(M 7.0)が東海・関東を襲う。死者25人。(1月)


主なベストセラー:『間違いだらけのクルマ選び』徳大寺有恒(草思社)、『ルーツ』A・ヘイリー(社会思想社)、『エーゲ海に捧ぐ』池田満寿夫(角川書店)
テレビ:『ザ・ベストテン』(TBS)放送開始。
新商品:「マイルドセブン」(日本専売公社)、「ローファット牛乳」(雪印乳業)、簡易印刷機「プリントゴッコ」(理想科学)、紙おむつ「パンパース」(P&G)
ヒット曲:『渚のシンドバッド』『ウォンテッド』ピンク・レディー、『青春時代』森田公一とトップギャラン、『勝手にしやがれ』沢田研二
この年に登場したもの:日本初の気象衛星「ひまわり」(宇宙開発事業団)

福音館書店では:2〜3才向きの月刊絵本「年少版こどものとも」創刊(4月)。

12月 2, 2005 1977年, そのころあったこと | | コメント (0) | トラックバック (0)

福音館書店から(第22回)

 お知らせしておりました50周年記念出版『おじいさんが かぶを うえました−−月刊絵本「こどものとも」50年の歩み』は、本日(12月2日)販売開始いたしました。
 このブログでは画面上でご覧いただいている「こどものとも」「こどものとも年中向き」のバックナンバーのすべての表紙画像と書誌データを、美しい印刷で図録としてまとめてあります。また昔話、動物の絵本などジャンルごと、作家ごとに絵本を構成して紹介するページでは、「こどものとも」の世界の広がりをご覧いただけると思います。作家インタビューもブログでは取りあげられなかった、たくさんの絵本の誕生の秘密が明かされています。このブログをお楽しみいただいている方には、ぜひお求めいただきたい珠玉の1冊です。

おじいさんが かぶを うえました−−月刊絵本「こどものとも」50年の歩み
定価2,625円(税込)

目次から

第1章 たくさんの絵本
日本の昔話/世界の昔話/字のない絵本/動物がいっぱい/乗り物/もっと広がる絵本の世界/生活を描く

第2章 絵本、さまざまな軌跡
堀内誠一/丸木俊/長新太/土方久功/中川李枝子と山脇百合子/小野かおる/赤羽末吉/林明子/スズキコージ/中谷千代子/田島征三/佐々木マキ/瀬川康男/太田大八/加古里子/井上洋介/梶山俊夫/片山健
みんなの人気もの/絵の前の絵

第3章 絵本誕生の秘密
『かばくん』/『はじめてのおつかい』/『ごろはちだいみょうじん』/『ぽとんぽとんはなんのおと』/『ぐるんぱのようちえん』/『ふしぎなたけのこ』/『いちごばたけのちいさなおばあさん』/『めっきらもっきらどおんどん』/『あな』/『ぐりとぐら』/『しょうぼうじどうしゃじぷた』/『ちいさなねこ』
わたしの絵本履歴(内田莉莎子)/瀬田貞二さんの仕事(斎藤惇夫)

座談会(大槻あかね・田中清代・西村温子)

月刊絵本「こどものとも」の50年、603作品
「こどものとも年中向き」の200作品

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3じのおちゃにきてください

1977年4月号
030253

こだまともこ さく なかのひろたか え

まりちゃんは、小川を流れてきた笹舟にお茶会への招待状と地図がついているのを見つけて、そこにいくことにしました。途中で出会った、おつかい帰りのゆきとくんや、砂糖を運んでいるアリ、くるみを食べていたリス、粉を背負ったロバなどもいっしょになって歩いていくと、カエルの“みどりのみどり”がケーキを作って待っていましたが……。3時のおやつが待ち遠しくなる絵本です。

「こどものとも」253号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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66このたまご

1977年5月号
030254

おくやまたえこ さく え

森のはずれに住むおばあさんの家の両脇には大きな木がそびえていて、たくさんの小鳥が巣をつくっていました。おばあさんは巣の中の小鳥の卵を数えるのを楽しみにしていましたが、ある日、彼らの66この卵が全部なくなってしまったのを知ってびっくりしました。おばあさんは森の中に探しにいきましたが……。野鳥や森の木や草花をていねいに描いた美しい絵本です。

「こどものとも」254号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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とりかえっこ する?

1977年6月号
030255

いぬいとみこ さく 大友康夫 え

胸当てのついた赤ちゃんズボンをはいている弟ネコのほしは、お兄ちゃんのベルト通しのあるズボンがうらやましくてたまりません。“とりかえっこする?”と歌いながら自転車で走っていくと、池のヒキガエルとズボンを交換することになりました。そのあとカエルの水泳ズボンをモグラの仕事ズボンと、次にモモンガの飛行機ズボンと交換し……。変身の楽しさと兄弟の心の通い合いが描かれます。

「こどものとも」255号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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しんりんてつどう

1977年7月号
030256

みねむらかつこ さく・え

蒸気機関車に引かれた森林鉄道の列車は、材木を積んだり人や荷物を乗せて、山の村とふもとの町の間を1日に何度もいったりきたりしています。朝、町の学校に通う村の子どもたちが乗って列車は出発しました。途中で急病人を乗せると、急なカーブの続く線路を大急ぎで走ります……。山に暮らす人々の生活と仕事を支える森林鉄道を、墨一色で力強く描きます。

「こどものとも」256号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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すてきなバスケット

1977年8月号
030257

小沢 正 作 佐々木マキ 画

はらぺこのオオカミは森の中で、子ブタと子ウサギを見つけました。2ひきは楽しそうにおしゃべりしながらバスケットからキャベツとニンジンを出して食べています。オオカミは襲いかかりますが、木の根っこにつまずいて2ひきに逃げられてしまいました。ところが残されたバスケットは望みのものが出てくる魔法のバスケットだったのです。愉快な物語に佐々木マキが絵を描きました。

「こどものとも」257号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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はずかしがりやのおつきさん

1977年9月号
030258

すずきこうじ さく・え

まんまるの月が野原を照らしている夜、ウマのロシナンテがその光の中で手紙を書いていました。あんまり月が明るいので、馬車の中で寝ていた女の子のギューリーちゃんもネコのダイナもイヌのイワンも、みんな目を覚まして月をじっと見つめました。すると月は恥ずかしがって雲に隠れてしまいました。ロシナンテはギターを手に取ると……。群青色だけで月明かりの世界が描かれています。

「こどものとも」258号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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もりのえほん

1977年10月号
030259

安野光雅 え

木の枝と葉、幹の肌の模様、ペン画で細かく描かれた森の風景に目をこらすと、ネコ、リス、サイ、ブタ、ウサギ、ラクダ……見開きの画面の中に、たくさんの動物たちの姿が浮かびあがってきます。絵さがしの醍醐味をたっぷり味わえる、安野光雅の隠し絵絵本です。

「こどものとも」259号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1981年に「安野光雅の絵本」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。

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おふろやさん

1977年11月号
030260

西村繁男 作

あっちゃんは家族でお風呂屋さんに出かけます。お父さんと一緒に男湯に入ったあっちゃんは、友だちを見つけました。体を洗い、髪を洗ってもらったら、友だちと遊んで、湯舟であたたまります。3人組の男の子がはしゃぎまわって、おじいさんに叱られています。女湯からお母さんの声が聞こえて……。字のない絵本ですが、絵を見ているだけで人の会話やお湯の音の聞こえてくるようです。

「こどものとも」260号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1983年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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サンタクロースのプレゼント

1977年12月号
030261

久保三千子 さく 内山 正 え

サンタクロースはプレゼントを配り終わって帰る途中、森の入り口で雪の上についた3つの足跡を見つけました。足跡をたどっていって巣を見つけ、子ネズミにはタンバリンを、子ウサギには人形をあげましたが、子リスにプレゼントをあげようとしたら袋はもうからっぽ。そこでサンタクロースがその場で手作りしたプレゼントは……。サンタクロースのやさしい気持が伝わってくる絵本です。

「こどものとも」261号
19×26cm 32ページ 当時の定価200円

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さんまいのおふだ

1978年1月号
030262

新潟の昔話 水沢謙一 再話 梶山俊夫 画

寺の小僧は山へ花を切りに出かけましたが、日が暮れて道に迷い、白髪のお婆の住む一軒家に泊めてもらいました。ところが夜中に目を覚ますとお婆は恐ろしい鬼婆になって小僧を食べようとしています。小僧は便所にいきたいといってその手を逃れ、便所の神様から3枚の札をもらって逃げだします。語り口調をいかした再話による、スリルとユーモアをかねそなえた昔話の絵本です。

「こどものとも」262号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

この絵本は1985年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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いたずらおばけ

1978年2月号
030263

イギリス民話 瀬田貞二 再話 和田義三 画

昔、ひとりぐらしの貧乏なおばあさんが家に帰る途中、道端で金貨の入った壷を見つけました。すっかり豪勢な気分になり、壺をショールに結わえて引いて帰りましたが、一休みしてふりかえって見ると、壷は銀のかたまりに変わっています。このほうが気が楽だと思ってまた歩いていくと、次にふりかえった時には鉄に、次には石に、あげくのはてに……。楽天的で豪快なおばあさんのお話です。

「こどものとも」263号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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きつねのおはなはん

1978年3月号
030264

中川正文 さく 二俣英五郎 え

お寺にいるキツネのおはなはんはハイカラなべっぴんさんに化けて歩きまわるのが得意でした。村人はばかにしていましたが、マンケはんのおっさんは娘のおたみをハイカラにしようとお寺に連れていきました。おはなはんは英語やお金の勘定や歩き方を教えてくれるのですが、雪の日の翌日、おたみは高熱を出してしまい……。いっぷう変わったキツネのお話です。

「こどものとも」264号
26×19cm 32ページ 当時の定価200円

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1977年

1977年度は「年中向き」の新作はありません。

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