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2005/11/11

福音館書店から(第19回)

 先週、1973年度より増ページや用紙の変更、新しい製版方式などによって、「こどものとも」が新しい時代に入ったことについてお知らせしましたが、一方でこの時期は、社会的には石油ショックによる物価の急激な上昇が継続している時期でもありました。
 この当時の状況を示す、1974年4月号の折込付録に掲載された「お知らせ」の一部をご覧下さい。

 子どもの本の出版という仕事は、読者である子どもが成長した暁にその成果が問われるものです。私どもはそうした長い展望にたって、内容と体裁に調和のとれた本づくりを心がけてまいりました。ところがご承知のように、日本の経済状況が激変し、とりわけ石油とパルプの不足は用紙の供給を極めて困難にし、また想像に余る価格の高騰をもたらしました。石油不足からくる製紙工場の操業短縮は、この先も印刷用紙の入手難をまねくと判断されます。この事態はもはや一出版社の企業努力では防ぎえませんが、その中でも私どもは最善の努力をして、本の内容の基本的な質は維持し、定価も極力現状を維持したいと考えております。

 このあとの文章は、用紙がやや薄くなること、「普及版こどものとも」の定価を30円値上げすることのおことわりになっています。当時の経済・社会状況は現在とずいぶんちがいますが、出版という仕事は経済の大きな流れの中で翻弄されながらも、必死で生きぬいていかなければならないことを、この当時の時代を見直していると、今さらながら自覚させられます。

 来週からも、新しい時代に入った「こどものとも」を紹介していきます。ご期待下さい。

11月 11, 2005 福音館からのお知らせ |

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