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2005/10/28

「こどものとも」200号を越えて   征矢 清

 わたしが「こどものとも」の編集を担当したのは4年とちょっとでしたが、「こどものとも」の流れのなかで大きな節目の時期であったと思います。企画から関わったのは1971年の4月号『るるのたんじょうび』(181号)から1975年4月号の『ねこのごんごん』(229号)までですが、その間に200号記念という「こどものとも」の歩みをふり返らせてくれる行事がありました。「こどものとも」が生まれて最初の10年ほどに、ほとんどの傑作が並んでしまっていて、そのあとを受け継ぐ者にとっては大変なプレッシャーを感じさせてくれるものでした。新しい時代の絵本の開拓はどうやったらできるのか、これからを生きる子どもたちの心をゆすぶる絵本とはどんなものなのだろうか。200号という記念すべきお祭りは、わたしにとってずっとあとまで重い課題を残してくれたと同時に、子どもの本の編集者として成長するためのはじめの種を植えつけてくれたように思います。

 そしてもう一つ、これは世の中の動きとも関連したことでしょうが、「こどものとも」の本の体裁が変わることになりました。それまで「こどものとも」は13場面で構成されていたのですが、205号から2場面増ページになり15場面で構成されることになったのです。用紙もいままでの上質紙からアート紙系の用紙になって、判型は変わらないものの、つやのある紙に変わって、見た目にはかなり変わることになりました。この用紙が変わったことは画家の方にとっても、絵本を楽しむ子どもたちにとっても、よかったと思います。きれいな原画が、印刷した絵本としてもそのまま生きるようになったからです。しかし、増えた2場面は大きな課題でした。13場面でたくさんの傑作が生まれていたのに、それに2場面がつけ加えられるというのはどういうことなのか。わたしの心配したとおり、はじめは13場面を15場面にするためにただつけ加えただけのような、間のびした作品になりがちでした。15場面なら15場面なりの最初からの構成がなくては絶対に緊張感を持った作品は生まれてこないということがわかって、はじめて新しい方向が見えてきたように思いました。
 いまふり返ってみると、絵本を作ることをもう少し楽しんでできたら、もっといいものを生みだせたろうにと思います。しかしそれは年とってはじめてわかること、わたしも絵本の仕事を楽しんでできるようになったのは、ずっとあとのことでした。しかし、「こどものとも」の編集にたずさわっていたあの時期は、わたしの子どもの本へのかかわりを深めてくれた最初のときだったのだろうと思います。

征矢 清(そや きよし)
1935年、長野県に生まれる。早稲田大学第二文学部露文科を卒業後、児童書の編集にたずさわるかたわら、絵本・童話の創作活動をおこなってきた。2002年、童話『ガラスのうま』(偕成社)で、新美南吉児童文学賞、野間児童文芸賞を受賞。絵本の作品に『かさもっておむかえ』『はっぱのおうち』、童話に『ゆうきのおにたいじ』(以上、福音館書店)などがある。長野県在住。

10月 28, 2005 1972年, エッセイ | | コメント (0) | トラックバック (0)

1972(昭和47)年度にあったこと

国労・動労・私鉄大手10組合、賃上げを要求して始発より空前の交通ゼネスト。2500万人に影響。(4月)
大阪・千日デパートビルで火災。118人死亡、火災史上最悪の惨事。(5月)
沖縄の施政権が27年ぶりに返還され、沖縄県発足。(5月)
ニューデリーで日航機墜落事故。86人死亡。(6月)
「昭和47年7月豪雨」により10日間に全国で合計410人死亡、行方不明者32人。(7月)
第20回オリンピック・ミュンヘン大会開催。日本は男子100m平泳ぎ・田口信教、女子100mバタフライ・青木まゆみが世界新で優勝。男子バレーボール、男子体操も優勝し、合計金13、銀8、銅8。(8月)
ミュンヘン五輪選手村にパレスチナゲリラが侵入、イスラエル選手2名を殺害。(9月)

田中角栄、周恩来の日中両国首相、共同声明に調印し、日中国交正常化。(9月)
国交正常化を記念して、中国から贈られたパンダ、カンカンとランラン、上野動物園で一般公開始まる。(11月)
国鉄北陸線トンネル内(福井県敦賀市)火災。30人死亡、719人重軽傷。(11月)
厚生省、人口動態概況を発表して第二次ベビーブームが本格化したと発表。(年間205万7000人出生)(12月)
日銀、卸売物価上昇率8.5%で1956年に次ぐ高騰と発表。(1月)
米国・南北ベトナム・解放戦線、ベトナム和平協定(パリ協定)に調印。(1月)
国労・動労、スト権奪還を要求して順法闘争を開始。(2月)


主なベストセラー:『恍惚の人』有吉佐和子(新潮社)、『日本列島改造論』田中角栄(日刊工業新聞社)、『坂の上の雲』司馬遼太郎(文藝春秋)
テレビ:『中学生日記』(NHK)、『セサミ・ストリート』(NHK教育)、『太陽にほえろ!』(NTV)、『必殺仕掛人』(NET・現テレビ朝日)、『パパと呼ばないで』(NTV)など放送開始。
新商品:「珍味かまぼこ・かにあし」(スギヨ商事・石川県七尾市)、タウン情報誌「ぴあ」(ぴあ)、水性ボールペン「ボールぺんてる」(ぺんてる)、パーソナル電卓「カシオミニ」(カシオ計算機)、「デジタル体温計」(立石電機・現オムロン)、「ごきぶりホイホイ」(アース製薬)
ヒット曲:『女のみち』宮史郎とぴんからトリオ、『瀬戸の花嫁』小柳ルミ子、『旅の宿』よしだたくろう
この年に登場したもの:たばこに「健康のために吸いすぎに注意しましょう」の表示(日本専売公社)、自動車免許取得1年未満者の「初心者マーク(若葉マーク)」、「ロッテリア」

福音館書店では:「インガルス一家の物語」刊行開始。(7月)

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福音館書店から(第17回)

 今週は、「こどものとも」200号記念の年のバックナンバー紹介になります。
 記念すべき200号は、堀内誠一さんの『てがみのえほん』。魔女や巨人、幽霊や竜からもお祝いの手紙が届く、パロディ精神満載の絵本です。ぐりとぐらや、だるまちゃんとてんぐちゃん、たろうやぐるんぱまでが、一堂に会し、大きなカステラにナイフを入れるという空前絶後の場面も見られます。この絵本は「堀内誠一復刊絵本10冊セット」の1冊として復刊しました。
 そして200号記念の増刊号には、現在も浦島太郎の絵本の決定版として版を重ねている『うらしまたろう』が出されました。
 200号を機に新たな歩みをはじめようという当時の編集部の心意気については、2代目編集長の征矢清のエッセイをお読みください。
 来週からも、新しい時代に入った「こどものとも」を紹介していきます。ご期待下さい。

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ちいさい みちこちゃん

1972年4月号
030193

なかがわりえこ さく やまわきゆりこ え

「わたしも幼稚園に入れて」とみちこちゃんがたんぽぽ幼稚園にやってきました。でもみちこちゃんはまだ3歳。「もっと大きくなったらおいでよ」とイヌのジョンにいわれて家に帰りましたが、こんどは乳母車におもちゃの動物をいっぱい乗せてやってきました。幼稚園のみんなも喜んで、いっしょに遊んでいると、ネコのとらおばさんが迎えにきました……。背伸びしたい子どもの心を描いた絵本です。

「こどものとも」193号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本はこどものとも創刊50周年記念出版「こどものともセレクション」の1冊として刊行されています。

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たけしのえんそく

1972年5月号
030194

征矢 清 さく 石鍋芙佐子 え

たけしの幼稚園の山登り遠足に、仲良しのイヌのシロがバスにまぎれこんで、ついてきてしまいました。みんなの後ろから山道をついてきたはずのシロがいないのに気づいて、たけしはシロをさがしに林の中に入り、迷子になってしまいます。涙を流しながら林の中をさまよっていたたけしの前に、シロが現れて……。どきどきがいっぱいの遠足の一日を描きます。

「こどものとも」194号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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かえるのつなひき

1972年6月号
030195

儀間比呂志 さく・え

村の田んぼに害虫が発生したので、王様は村人に稲を全部焼き払えと命令します。これを聞いたカエルたちは大綱引きのお祭りをして、害虫を退治する計画を立てました。カエルたちは、縄をない、旗頭を作り、太鼓の皮をはり、はては2本足で立つ稽古もして、祭りの準備をします。稲を焼くという日、村人の前に何百匹、何千匹のカエルが現れて……。沖縄の勇壮な祭りをカエルを主人公にして描きます。

「こどものとも」195号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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のんびりおじいさんとねこ

1972年7月号
030196

西内みなみ さく わかやましずこ え

海で魚をとってのんびり暮らすおじいさんの小屋に住みついたネコは、毎日アジのしっぽしか食べられないのでお腹をすかせ、出ていこうとしました。おじいさんは、特別大きな魚を食べさせると約束して、ネコをひきとめます。釣り竿を直し、ミミズを掘り、ゆっくりじっくり準備をしたおじいさんは、まずイワシをつり、それを餌にカツオをつり、最後に巨大なカジキを……。

「こどものとも」196号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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われた たまご

1972年8月号
030197

フィリピン民話 小野かおる 再話・画

ミフウズラの夫婦が大切にしていた卵が割れていました。そばにウマの足跡があったので、夫婦はなぜ巣を踏んだのか理由を聞きにウマのところにいきました。ウマはニワトリが騒いだせいだといい、ニワトリはサルがヤシの実を落としたせいだといいます。サルからスイギュウ、ヘビ、カメ、ホタル、カ、そして……。次々追いかけて原因を積み重ねていく、昔話の語りが生かされた絵本です。

「こどものとも」197号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は、こどものとも創刊50周年記念企画「こどものとも世界昔ばなしの旅」の1冊としてハードカバーで刊行されています。

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ひっこし こし

1972号9月号
030198

阪田寛夫 詩 中谷貞彦 画

「みんな よくきけ/ひっこしはな/いっちゃうことだぞ/たいへんだぞ」町の家から、犬や金魚もつれてトラックに乗り、野原の中の一軒家に引っ越して、新しい生活を始めるまでを、ストーリーにそった13編の連作の詩でつづる絵本です。子どもの心の中の期待や不安を、1場面毎に1編の詩と絵で描いています。

「こどものとも」198号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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かぜのおまつり

1972年10月号
030199

いぬい とみこ さく 梶山俊夫 え

町の保育園からの帰り道、ふうこは林の中でアケビの実を見つけました。取ろうとするとアケビの実は、木枯らし小僧のひゅうすけが風のお祭りにくるまでは取らないでといいます。キノコもヤマブドウも、風のお祭りまでは取らないでといいましたが、ふうこがヤマブドウを一房だけ食べてしまうと、急にあたりに白い霧がたちこめて……。季節の変化をめぐるファンタジー絵本です。

「こどものとも」199号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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てがみのえほん

1972年11月号
030200

堀内誠一 さく・え

「こどものとも」が200号を迎えたお祝いに、世界中から12通の手紙が届きました。お菓子の家に住んでいるよい魔女グリンダ、汽車を収集している巨人国のトロル、幽霊国の透明の幽霊、月でルナシティ建設中のロボット・アルミイ、イーハトーブの動物たち……。こどものともの仲間たちも集まってお祝いします。絵のスタイルも様々に、パロディ精神にあふれた楽しい絵本です。

「こどものとも」200号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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うらしまたろう

200号記念増刊号
033001

時田史郎 再話 秋野不矩 絵

魚をとって暮らしていた浦島太郎は、ある日、家に戻る途中、村の子どもらにいじめられていた亀を助けて、海に逃がしてやりました。次の日、太郎が釣り糸をたれると、美しい娘が大きな亀をしたがえて現れ、自分が昨日助けられた亀で、実は竜王の娘、乙姫であることを告げ、お礼に竜宮に来てほしいといいます。おなじみの昔話を、古代の文献にまでさかのぼり精査して再話しました。

「こどものとも」200号記念増刊号
19×26cm 32ページ 当時の定価150円

この絵本は、「日本傑作絵本シリーズ」の1冊として、1974年に刊行され、現在も販売されています。

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だるまちゃんとうさぎちゃん

1972年12月号
030201

加古里子さく・え

雪の日、だるまちゃんが雪だるまの目にしようとしたリンゴが、雪の坂をうさぎちゃんたちのところまで転げ落ちていきました。だるまちゃんは、うさぎちゃんたちといっしょにいろいろな雪だるまや、雪ウサギを作ったり、ウサギの手袋人形を作ったりして遊びます。ナプキンをウサギの形にする折り方、リンゴをウサギやだるまの形にする切り方など、遊びがいっぱいつまった絵本です。

「こどものとも」201号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1977年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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すもうにかった びんぼうがみ

1973年1月号
030202

松谷みよ子 再話 斎藤真成 画

ひとりぐらしの貧乏な若者のところへ嫁がきました。若夫婦はせっせと働いたので、暮らしもよくなってきましたが、昔からこの家にすみついていた貧乏神は、年越しの夜に、福の神と交代するため出ていかなければならないと泣きだしました。それを聞いた若夫婦は貧乏神を助けるためにごちそうを食べさせ……。ユーモラスな昔話をおおらかな筆致で描いた絵本です。

「こどものとも」202号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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てぶくろくろすけ

1973年2月号
030203

川崎 洋さく 長 新太え

手袋の一家ではみんな右と左が一緒になって眠っていました。手袋のくろすけは、片一方だけで部屋をぬけだし雪野原で遊びまわるうち、坂道をすべりおち“てぶくろこどもこうえん”に着きました。そこではたくさんの手袋の子どもたちが遊んでいましたが、みんな左右いっしょで、ひとりだけのくろすけは仲間に入れてもらえません。長新太が手袋の世界をシンプルな配色で描きます。

「こどものとも」203号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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おおむかしの むら

1973年3月号
030204

たかしよいち さく 丸木 俊 え

大昔、獣や魚をとる生活から、田んぼで稲を育てるようになったころ、人々は協力して家を造り、ひねり木をまわして火を熾し、土器を作り、機を織って暮らしていました。弥生時代の人々の営みを、籾まきから稲刈り、籾すり、貯蔵まで、稲作を軸とした季節の移ろいの中に、色彩豊かに描きます。

「こどものとも」204号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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1972年

1972年度は「年中向き」の新作はありません。

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2005/10/20

「12のつき」と「森は生きている」   内田莉莎子

(このエッセイは「こどものとも年中向き」1989年3月号の折込付録に掲載されたものの再録です)

 久しぶりに『12のつきのおくりもの』を手にした。この絵本ができてからもう18年もたっている。だが丸木俊さんの絵はいま見ても新鮮でとてもすてきだ。
 物語はいたって単純、きわめて素朴。気だてのやさしい働きものの娘が、根性のまがったまま母とそのつれ子のいじめを、12の月の精の助けで切りぬけ幸せになるというごくふつうの昔話である。しかし実に色彩にあふれ、しかもしぜんに音楽がきこえてくるような物語なのだ。ま冬の雪深い森。その奥に燃えさかるたき火。それをかこむ1月から12月の月の精は、春の美しい若者たちから冬の老人まで。そして娘の願いが聞きとどけられてま冬の森は三たび雪がとけて、春になり、夏になり、秋になり、またきびしい冬にもどる。その時どきの色どりになるすみれ、いちご、りんご。そして数々の難儀をのりこえた娘は、春がくるといちばん若い3月のような若者と結婚するのだ。まさにミュージカルにぴったりのお話である。マルシャークの不朽の名戯曲「森は生きている」は、この民話をもとに書かれたのである。

 日本での「森は生きている」の初演当時、私は働いていた幼稚園の子どもたちといっしょに見にいった。子どもたちも大人たちもそろって感動し興奮した。クリスマスに幼稚園版「森は生きている」を上演してしまったほどである。もう30数年昔のことだが、「森は生きている」はその後「俳優座」から「劇団仲間」にうけつがれ毎年上演されている。
 『12のつきのおくりもの』を読んでくれた子どもたちにぜひ「森は生きている」の舞台を見せてあげたい。林光さんの作曲した12つきのたき火の歌を聞かせたい。12の月がたき火をかこんだように、ぐるっと輪になって思いっきり元気よくたき火の歌を歌ってほしい。30数年前のあの子どもたちのように。思い出と思い出がかさなりあって、思わずそんな気持がこみあげてきた。

注記
* 『12のつきのおくりもの』は「こどものともセレクション」の1冊として2006年1月中旬に復刊されました。
* 『森は生きている』(マルシャーク作 湯浅芳子訳)は岩波書店より岩波少年文庫の1冊として刊行されています。
* 「森は生きている」の本邦初演は、劇団俳優座により1954年5月俳優座劇場でおこなわれました。(演出/青山杉作 出演/岩崎加根子、永井智雄、滝田裕介他)

内田莉莎子(うちだ りさこ)(1928−1997)
東京に生まれた。早稲田大学露文科卒業。1964年、ポーランドに留学。ロシアや東欧を中心に数々の海外児童文学・昔話・絵本を翻訳・紹介。主な訳書に『おおきなかぶ』『てぶくろ』『マーシャとくま』『しずくのぼうけん』『もぐらとじどうしゃ』『りんごのき』、『ロシアの昔話』(以上、福音館書店)など多数ある。

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1971(昭和46)年度にあったこと

連続女性殺人犯大久保清逮捕。(8人の女性を車で誘拐し殺害)(5月)
横綱大鵬が引退。(優勝32回、横綱在位58場所)(5月)
スモン病患者が国とキノホルムを製造販売していた製薬会社対して賠償請求の訴訟を起こす(5月)
新宿副都心の超高層ビル第一号として京王プラザホテルが完成。(地上170m 47階建)(6月)
YS-11「ばんだい号」墜落事故。(乗員4人乗客64人死亡)(7月)
阪神の江夏豊がオールスター戦で9連続奪三振。(7月)
岩手県雫石町上空で自衛隊機が全日空機に衝突。(全日空機の乗員乗客162人は全員死亡)(7月)
アメリカのニクソン大統領、金とドルの交換停止などのドル防衛措置を発表。(ニクソン・ショック)(8月)
天皇・皇后ご夫妻がヨーロッパ7ヵ国親善訪問に出発。(9月)

近鉄特急トンネル内正面衝突事故。(25人死亡、354人重軽傷)(11月)
沖縄返還協定の批准・強行採決に反対して、全国各地で反対闘争。日比谷公園では「松本楼」炎上。(11月)
横井庄一元軍曹が戦後28年ぶりにグァム島で発見される。(1月)
第11回冬季オリンピック大会が札幌で開催。70m級ジャンプで、日本の3選手が金銀銅を独占。(2月)
連合赤軍が軽井沢の浅間山荘に人質をとって籠城。武装警官750人が山荘を包囲し10日間におよぶ銃撃戦の後逮捕。(2月)
高松塚古墳(奈良県明日香村)で極彩色の壁画を発見。(3月)


主なベストセラー:『日本人とユダヤ人』イザヤ・ベンダサン(山本書店)、『二十歳の原点』高野悦子(新潮社)、『ラブ・ストーリィ』E・シーガル(角川書店)
テレビ:『仮面ライダー』(NET・現テレビ朝日)、『天才バカボン』(NTV)、『スター誕生』(NTV)、『ルパン三世』(NTV)、『木枯らし紋次郎』(フジテレビ)など放送開始。
新商品:スティックのり「ピット」(トンボ鉛筆)、「アルミ缶ビール」(朝日麦酒)、「カップヌードル」(日清食品)、家庭用自動もちつき器「もちっ子」(東芝)、「小枝チョコ」(森永製菓)
ヒット曲:『わたしの城下町』小柳ルミ子、『知床旅情』加藤登紀子、『また逢う日まで』尾崎紀世彦
この年に登場したもの:「自動出改札装置」(大阪、地下鉄四つ橋線)、「マクドナルド」、

福音館書店では:「ピーターラビットの絵本」刊行開始。(11月)

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福音館書店から(第16回)

 先週に引き続き、50周年記念出版の「こどものともセレクション」の内容を説明いたします。
 15点のうち3点『えんにち』『12のつきのおくりもの』『よるのびょういん』は以前「こどものとも傑作集」で刊行され現在品切となっていたものの復刊ですが、それ以外ははじめてハードカバーとして市販されるものです。先週はタイトルしか掲載できませんでしたので、今週はくわしいデータをお知らせします。思い出の絵本はありますでしょうか。
 ホームページの方でも近日中にこのシリーズを紹介する予定です。どうぞお楽しみに。

「こどものともセレクション」全15冊
定価各840円(税込) セット定価12600円(税込)
2006年1月中旬刊行予定

えんにち 五十嵐豊子 絵 1973年8月号
こぶたのバーナビー U.ハウリハン 作 なかがわそうや 絵 やまぐちまさこ 訳 2000年3月号
3じのおちゃにきてください こだまともこ 作 なかのひろたか 絵 1977年4月号
3びきねこさんのそりあそび 柳生まち子 さく 2000年1月号
12のつきのおくりもの 内田莉莎子 再話 丸木 俊 絵 1971年12月号
たあんき ぽおんき たんころりん 長谷川摂子 文 降矢なな 絵 1991年5月号
ちいさいみちこちゃん なかがわりえこ 作 やまわきゆりこ 絵 1972年4月号
トイレとっきゅう 織茂恭子 文・絵 2002年5月号
とぶ 谷川俊太郎 作 和田 誠 絵 1978年9月号
どろにんげん 長 新太 さく 1997年11月号
ふくのゆのけいちゃん 秋山とも子 作 1993年5月号
ほんとうだよ 松見 秀 作・絵 1971年5月号
まじょのくに 油野誠一 作 1998年6月号
ゆっくりくまさん 森 比左志 作 西巻茅子 絵 1974年9月号
よるのびょういん 谷川俊太郎 作 長野重一 写真 1979年9月号

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1971年

1971年度には「年中向き」の新作はありません。

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るるの たんじょうび

1971年4月号
030181

征矢 清 さく 中谷千代子 え

かわいがっている小さなネコのるるがいなくなってしまいました。かおるは公園で黒ネコやトラネコに聞いてみますが、もったいぶってなかなか教えてくれません。ようやくネコたちに案内されて、茂みをぬけ小川をとびこして広場に出ると、動物たちが集まり、るるの誕生日のお祝いが始まるところでした。子どもと動物の交流を明るい色彩の水彩画で描きます。

「こどものとも」181号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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ほんとうだよ

1971年5月号
030182

松見 秀 さく・え

池のそばに住んでいるカエルのがーちゃんは春になっておおよろこび。池の中の魚たちにも、外の春のようすを一生懸命話してやりました。でも池の魚たちは、黄色い菜の花畑のことも、小鳥がうたっていることも、電車がごーごー走っていることも信じません。そのとき一ぴきの魚が釣り針にかかって引きあげられてしまいました……。春の色彩にあふれた絵本です。

「こどものとも」182号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本はこどものとも創刊50周年記念出版「こどものともセレクション」の1冊として刊行されました。

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かわとかくれんぼ

1971年6月号
030183

司 修 さく・え

海の水がどこからくるのか不思議に思ったじろーは、カモメに教えられ、川をさかのぼっていきました。アヒルに川の終点は山にあると聞いて、山に入っていくと川は細く細くなっていきます。じろーは山から聞こえてくる動物たちの声に導かれ、滝をこえ、ついに川の赤ちゃんを見つけます。セピア1色の背景の中で子どもの心の冒険を描きます。

「こどものとも」183号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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ふしぎな さーかす

1971年7月号
030184

安野光雅 さく・え

真夜中の12時。机の上で小人たちによるサーカスが始まります。まずはコップの太鼓、スプーンのバイオリン、マッチ棒のフルートなどの楽団が登場。そしてペン先のジャグリング、風船の玉乗り、書き割りの絵から現れるライオン……。やがて朝になると、小人の姿は消えたけれど……。さまざまな絵遊びが繰り出される安野光雅の「ふしぎなえ」のシリーズ第3弾。

「こどものとも」184号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1981年に「安野光雅の絵本」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。

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まぐろぎょせん てんゆうまる

1971年8月号
030185

森下 研 さく 金野新一 え

マグロ漁船てんゆうまるは、広い太平洋で半年以上も続く漁に出発しました。アメリカの近くまで来たときに、ようやく漁が始まります。長い縄に餌のサンマをつけて流すと、大きなマグロが次々かかりました。ときにはシャチにマグロを狙われたり、嵐にあったりしながらも、元気に漁を続け、大漁で日本に帰ります。漁船と海の男たちの勇壮な活躍を描く絵本です。

「こどものとも」185号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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イカロスのぼうけん

1971年9月号
030186

ギリシア神話 三木 卓 再話 井上 悟 画

ミノス王の迷宮を作ったダイダロスは、息子のイカロスとともに高い塔にとじこめられていました。窓から海と空を眺めているうちにダイダロスは、空を飛んで逃げ出そうと考えました。鳥の羽を集めて翼を作り、二人は牢の窓から飛び出ましたが、父の注意も聞かず、イカロスはどこまでも高く飛んで太陽に近づいたため……。ギリシア神話を少年イカロスの視点で再話した絵本です。

「こどものとも」186号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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ゆうこの あさごはん

1971年10月号
030187

やまわきゆりこ さく・え

寝ぼうしたゆうこは、朝ごはんをひとりで食べることになりました。バターのついたパンと牛乳とチーズ、それから顔がかいてあるゆで卵。すると、ゆで卵がいっしょに冒険にいこうといいました。小指に塩をつけてなめるとゆうこは小さくなります。ふたりはいっしょに庭におり、クヌギの木に登ってスズメのように空を飛んでみました。山脇百合子が文も絵のかいた初めての絵本です。

「こどものとも」187号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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ちいさなしまのはなし

1971年11月号
030188

福田庄助 さく・え

小さな島に男の子とおじいさんとおばあさんがたくさんの動物たちといっしょに楽しく暮らしていました。ある日、地面がごうごうと鳴って、真っ黒な煙が空に広がり、熱い風とともに石ころや灰がふってきました。島の山から火が吹き出したのです。みんなで海の水をかけましたが、火は消えません……。火山島の爆発をダイナミックな絵で展開する絵本です。

「こどものとも」188号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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12のつきの おくりもの

1971年12月号
030189

スロバキア民話 内田莉莎子 再話 丸木 俊 画

マルーシカは継母とその娘にいつもつらい仕事ばかりさせられていましたが、美しい娘に育っていました。継母たちはマルーシカを憎み、寒い冬の日、森でスミレを摘んでくるようにと命じました。泣きながら雪に埋もれた深い森にはいっていくと、大きなたき火を囲んだ12の月の精に出会いました。話を聞いた12月の精が3月の精に席をゆずると……。丸木俊が美しく描いた昔話の絵本です。

「こどものとも」189号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本はこどものとも創刊50周年記念出版「こどものともセレクション」の1冊として2006年1月中旬にハードカバーで刊行されます。
再話の内田莉莎子さんのエッセイはこちらから

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おおさむ こさむ

1972年1月号
030190

瀬川康男 え

「おおさむ こさむ」「うさぎ うさぎ」など、昔から子どもたちに歌われ、誰もが幼いころ口ずさんだ13のわらべうたに、瀬川康男がひとつひとつシンプルで印象的な絵をつけた絵本です。

「こどものとも」190号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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うしかたと やまうば

1972年2月号
030191

日本の昔話 瀬田貞二 再話 関野凖一郎 画

牛方がウシの背にサバを積み山越えしていると、山姥が追いかけてきて、サバをくれといいました。サバを1ぴきやると、また追いかけてきて、次々サバを食べ、ついには牛まで食べてしまいました。牛方は炭焼きの俵に隠れ、沼のふちの柳の木に隠れて逃げのび、森かげの家の梁の上に隠れますが、そこに帰ってきたのは山姥でした……。おなじみの日本の昔話の絵本です。

「こどものとも」191号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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からすのたからもの

1972年3月号
030192

周 はじめ さく 小松崎邦雄 え

白樺林に住むカラスの夫婦に3羽の子ガラスが生まれました。父さんガラスと母さんガラスはミミズや虫をさがしては、子ガラスたちに食べさせていました。ある日、お百姓の家の庭で見つけたビー玉を持ちかえると、子ガラスが喜んだことから、カラスは、腕時計や眼鏡など、いろいろな「宝物」を巣に集めはじめます……。カラスの習性に基づいたユーモラスなお話です。

「こどものとも」192号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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2005/10/14

夫・土方久功の思い出   土方敬子

(このエッセイは「普及版こどものとも(現在の「こどものとも年中向き」)」1979年7月号の折込付録より再録しました)

 土方久功は変わった一生を送った人でした。美術学校の彫刻科を卒業したのですが、個展を1回してから29才のとき南洋パラオ島へ渡りました。原始彫刻へのあこがれもあったのですが、かねてから興味を持っていた南方の土俗研究も目的の一つでした。パラオ島から奥の、日本人のひとりもいないサテワヌ島に移り、島民とともに暮らしました。食物もみな島の人と同じ物を食べて、島の人になりきって7年過ごしました。そして言葉を覚えてから、島の長老たちからいろいろのお話を聞きました。そうして調べた資料で、日本へ帰ってから『サテワヌ島民話』や『パラオの神話伝説』、『流木』などの本をかきました。
 太平洋戦争が始まり、日本に帰ってからは、南洋でのスケッチをもとにして彫刻に取り組みました。病気をしてからは水彩を主にかきました。死ぬまで南洋を彫りつづけ、南洋をかきつづけました。

 絵本をかき始めたのは『おおきなかぬー』のさし絵をかいたのが縁で福音館からおすすめがあり『ゆかいなさんぽ』が出来上がりました。
 終戦後、弟夫婦と一緒に住んでいたときに生まれた姪の邦子がオジチャンにべったりで、絵をかいてもらったり、お話をしてもらったりしていました。そのとき自分でお話を作りながら、聞かせていたのを思い出して『ゆかいなさんぽ』をかきました。
 土方おじさんは子どもが好きでした。私たちには子どもがありませんでしたが、近所の子どもたちと仲良しでした。外に出ると子どもたちが寄ってくるので、からかいながら一緒に遊んでいました。その中の一人のやんちゃ坊やが「やんたくん」となって「母の友」に連載(1972年4月号〜12月号)した話の主人公になりました。
 
 若いときからの詩人で、死ぬまでたくさんの詩をかきつづけました。その中の一編に「蟇帖(がまちょう)」があります。この蟇もおじさんの愛する友だちで、庭の花壇の中からノソノソ歩いてくる小さい蟇大きい蟇を見て喜んでいました。心の中で蟇とお話していたのでしょう。

 今日も朝 窓の戸繰れば
 はいはい ここですよと
 蟇の子 にっこり
     ◇
 もの言はぬ蟇の子なれど
 もの言ひたげな眼(まなこ)あり
 その奥に心も見えて
     ◇
 蟇の子に言ってやりたきことあれど
 蟇の子も
 何か問ひたげな顔すれど
     ◇
 蟇の子よ私がお前を愛してる
 お前も私を愛しゐるようだ
 だがお互の間に言葉があったら
 お互の間がこんな風で続くかどうか

 家が豪徳寺に近いので鳥がたくさん飛んできました。この鳥も愛して毎日パンをちぎってはまいていました。その根気のよさと愛情に感心していました。
 

土方久功(ひじかた ひさかつ)(1900-1977)
1900年、東京に生まれた。1924年、東京美術学校彫刻科卒業。1929年に南洋パラオ島に渡り、さらに1931年にヤップ離島のサテワヌ島へ渡って、島民と生活をともにしながら、彫刻の制作と島の民俗学的な研究を行った。戦後は1951年から数回個展を開催し、毎年新樹会展に出品する。民俗学の研究家としても知られており、著書に『流木』『ミクロネシア・サテワヌ島民族誌』(以上、未来社)、「土方久功著作集」(三一書房)、詩集『青蜥蜴の夢』『土方久功遺稿詩集』(以上、草原社)、絵本に『おおきなかぬー』『ゆかいなさんぽ』『ぶたぶたくんのおかいもの』『おによりつよいおれまーい』(以上、福音館書店)などがある。

10月 14, 2005 1970年, エッセイ | | コメント (0) | トラックバック (3)

1970(昭和45)年度にあったこと

大阪の地下鉄工事現場でガス爆発事故。道路150メートルが深さ10メートルも陥没炎上し、家屋26戸が全半焼、336戸が被害を受け、死者79人、重軽傷者420人などの大惨事となった。(4月)
ビートルズ解散。(4月)
三浦雄一郎がエベレストのサウスコル(7985m)からスキーによる滑降に成功。(5月)
日本山岳会エベレスト登山隊の松浦輝夫と植村直己が日本人初のエベレスト登頂。(5月)
ペルーでマグニチュード7.7の大地震(死者5万人、負傷者60万人)(5月)
日米安保条約自動延長(6月)
東京都杉並区で初の光化学スモッグ発生。高校のグラウンドで生徒が倒れ、東京都公害研究所は全国で初めての光化学スモッグ公害と推定。(7月)
広中平祐、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞。(9月)

東京銀座で初のウーマンリブのデモ。(10月)
三島由紀夫、市ケ谷の自衛隊東部方面総監部で割腹自殺。(11月)
コザ市で交通事故の処理をめぐりアメリカ憲兵隊と群衆が対立。米軍は群衆5000人に対し武装兵400人を出動。(2月)
新東京空港公団、成田空港建設予定地内の第一次強制代執行に着手。(2月)
名古屋で開催された世界卓球選手権大会6年ぶりに中国が参加し、米国選手団を中国に招待すると発表。これを機に米中の交流が始まり「ピンポン外交」と呼ばれた。(3月)


主なベストセラー:『冠婚葬祭入門』塩月弥栄子(光文社)、『誰のために愛するか』曽野綾子(青春出版社)、『冬の旅(上・下)』立原正秋(新潮社)
テレビ:『あしたのジョー』(フジテレビ)、『ありがとう』(TBS)、『遠山の金さん捕物帖』(NET)、『奥様は18歳』(TBS)、『六輔さすらいの旅・遠くへ行きたい』(NTV)、『新婚さんいらっしゃい!』(TBS)など放送開始。
新商品:美容健康器「スタイリー」(アンテ社)、男性化粧品「マンダム」(丹頂株式会社)、「アメリカン・クラッカー」(アサヒ玩具)
ヒット曲:『黒ネコのタンゴ』皆川おさむ、『ドリフのズンドコ節』ザ・ドリフターズ、『圭子の夢は夜ひらく』藤圭子
この年に登場したもの:「歩行者天国」(銀座、新宿、池袋、浅草)、観光キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」(国鉄)、「ダンキン・ドーナツ」、「すかいらーく」、「ケンタッキー・フライドチキン」


福音館書店では:「スーパーブックス」刊行開始(4月)。(1971年4月より「ペーパーバックス」と改名)

10月 14, 2005 1970年, そのころあったこと | | コメント (2) | トラックバック (0)

福音館書店から(第15回)

 「こどものとも」のバックナンバー紹介も、200号に近づいてきました。こうして1年ずつを、そのころあったこととともに見返してみると、この最初の15年間は、社会全体が大きく揺れ動き変革の気運にあふれた、まさに激動の時代だったことがわかります。「こどものとも」もそんな時代を背景にしながら、だれも進んだことのない道を切り開いてきてことが感じられます。
 さて、1970年を過ぎると、今まさに子育てまっ最中の皆さんが子どものころに出版された「こどものとも」が、だんだん登場してくると思います。このころから現在に至るまでのバックナンバーの中から、まだ「こどものとも傑作集」には入っていない絵本15冊を選んで、創刊50周年記念の「こどものともセレクション」として、来年1月にハードカバー版で刊行することになりました。くわしくはあらためてご案内しますが、とりあえずタイトルだけお知らせしておきます。

「こどものともセレクション」全15冊
定価各840円(税込) セット定価12600円(税込)

えんにち
こぶたのバーナビー
3じのおちゃにきてください
3びきねこさんのそりあそび
12のつきのおくりもの
たあんき ぽおんき たんころりん
ちいさいみちこちゃん
トイレとっきゅう
とぶ
どろにんげん
ふくのゆのけいちゃん
ほんとうだよ
まじょのくに
ゆっくりくまさん
よるのびょういん

10月 14, 2005 福音館からのお知らせ | | コメント (0) | トラックバック (0)

とこちゃんは どこ

1970年4月号
030169

松岡享子 さく 加古里子 え

赤い帽子と青い半ズボンの元気な男の子、とこちゃん。市場でお母さんがおしゃべりしているまに、とことこかけだして、どこかへいってしまいました。人ごみの中をさがしていくと、ああ、いたいた! 動物園、浜辺にお祭り、デパート……人ごみにまぎれたとこちゃんを探そう! 絵さがしの絵本の元祖ともいえる、子どもの大好きな絵本です。

「こどものとも」169号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1970年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。

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だぶだぶ

1970年5月号
030170

なかのひろたか さく・え

けんぼうは兄さんのお下がりのだぶだぶの上着とだぶだぶの帽子を着せられて、むくれながら遊びにでかけました。でも、途中で出会ったネコとイヌを大きなだぶだぶのポケットに入れ、ハトをだぶだぶの帽子に入れてやると、うれしくなって、森の中を探険することにしました。そこへオオカミがやってきて……。だぶだぶの服のおかげで危機をきりぬける、スリル満点の絵本です。

「こどものとも」170号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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だれかがぱいをたべにきた

1970年6月号
030171

神沢利子 さく 井上洋介 え

おばあさんが自慢のパイを焼いて一人で食べようとしていると、風に飛ばされた帽子が頭にすっぽりかぶさり、目隠しをしてしまいました。その時、ぎいーと扉があいたので風かと思えば、ぶうーとうなり声が聞こえたのでブタだと思って追い出そうとしましたが、がちゃん、ぺちゃぺちゃ、ぶるぶるるー、ずしんずしんと音がして……。音からいろいろな動物を想像していきますが、最後に思わぬオチがつく愉快なお話です。

「こどものとも」171号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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たなばたまつり

1970年7月号
030172

熊谷元一 さく・え

七夕祭りがきました。ちよこちゃんたちは六日の朝、里芋の葉から取った露で墨をすり願いごとを書いた短冊や、切り紙細工を竹に飾り、七夕人形に自分たちの着物を着せて軒下につるします。とりたての野菜を台にならべ、豊作を祈ってお供えをします。七日には、朝、お墓の掃除にいき、夜には提灯をもって歌をうたいながら町を練り歩きます。昔ながらの七夕の民俗をていねいに描いた絵本です。

「こどものとも」172号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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とびうお

1970年8月号
030173

末広恭雄 さく 吉崎正巳 え

春、南の海からやってきたトビウオたちは、海に浮いているホンダワラに卵を産みつけました。卵からかえった子どものトビウオたちは、ハナオコゼやマグロなどの大きい魚に襲われて仲間を減らしながらも成長し、逃げるために飛ぶ練習を始めます。やがて元気に飛べるようになると、漁船に飛びこんでしまうものもいますが、秋になるとみんなで南の海へ帰っていきます。躍動感あふれるトビウオを生態に即して描きます。

「こどものとも」173号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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おおきなおみやげ

1970年9月号
030174

松野正子 さく 吉本隆子 え

お母さんが町の病院から帰ってくる日、たけしは待ちきれなくて駅に迎えにいきました。途中で会った友だちに、お母さんがおみやげをもって帰ってくると自慢してしまったたけしは、なかなか現れないお母さんを駅で待ちながら、うそをついてしまったのではないかと心細くなってきます。そこへやってきたおばあちゃんに連れられて家に帰ると、お母さんがタクシーをおりてきました。楽しみに待っていた大きなおみやげ、それは、赤ちゃんでした。 

「こどものとも」174号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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ぶたぶたくんの おかいもの

1970年10月号
030175

土方久功 さく・え

子ブタのぶたぶたくんはお母さんから、買い物をたのまれました。ひとりでパン屋さんにいってパンを買い、八百屋さんにいくと、からすのかあこちゃんに会いました。こんどはかあこちゃんといっしょにお菓子屋にいくと、こぐまくんに出会い、帰り道はみんな一緒に近道を通って帰ります。お店屋さんの人もみんなユニークな、愉快な絵本です。

「こどものとも」175号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1985年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。
作者土方久功さんについては、こちらのエッセイをご覧ください。

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ねむりむし じらぁ

1970年11月号
030176

沖繩民話 川平朝申 再話 儀間比呂志 版画

じらぁは、両親が年とって貧乏なのに、働かず毎日寝てばかりいました。ある日じらぁが母親にシラサギがほしいというと、両親は無理をしてシラサギを手に入れてやりました。するとじらぁは金持ちの家に忍びこみ、木に登って自分を婿にするよう大声を張り上げ、シラサギを放しました。家の主人は神様のお告げと勘違いし……。沖縄の昔話を力強い木版画で描いた絵本です。

「こどものとも」176号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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クリスマスがせめてくる

1970年12月号
030177

小野かおる さく・え

クマの子どもぷうたとぷうまは、母さんと一緒に大きなモミの木の穴で冬眠していました。ある日、「クリスマスがやってくる」という声が聞こえ、外が騒がしいのでのぞいて見ると、小さなモミの木が掘りおこされてなくなっていたのでびっくり。2ひきは「クリスマスがせめてくる」と思って、戦いの準備を始めますが……。とびきり愉快なクリスマスの絵本です。

「こどものとも」177号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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びんぼうこびと

1971年1月号
030178

ウクライナ民話 内田莉莎子 再話 太田大八 画

ある村に働き者のお百姓がいましたが、朝から晩までせっせと働いても、どういうわけか村でいちばん貧乏でした。ある日ようやくパンとベーコンを手に入れたお百姓は、嬉しくなってバイオリンを弾きはじめました。すると部屋の隅でやせっぽちの小人たちが踊っているのを見つけ、話を聞くと、ずっとここに住んでいる貧乏こびとだというではありませんか……。

「こどものとも」178号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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かみなりこぞうが おっこちた

1971年2月号
030179

瀬田貞二 さく 杉本健吉 え

昔、ある山のモミの木に雷小僧が落っこちて、アカゲラはくちばしが割れ、リスはしっぽがちぎれ、ウサギは耳が折れてしまいました。雷小僧も角が折れ太鼓も破れて天に帰れなくて困っています。そこへ通りかかった鍛冶屋が、鉄を打ち、動物たちの体や雷の角や太鼓も、すっかり直してくれました。雷小僧はお礼に病気の治る温泉を沸きださせ……。七五調で調子よく語られる物語です。

「こどものとも」179号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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ぴちこちゃんの けっこん

1971年3月号
030180

ベラ・ヘルド 原作 木島 始 文 桂 ゆき 画

ネズミのぴちこちゃんはすばらしくきれいでかわいいので、動物みんなが結婚したいなあと考えていました。でも、ウサギのぴょこりくんも、ゾウのどしりくんも、ヘビのぬるりくんも、サルのふらりくんも、みんなぴちこちゃんに断られ、悲しそうに帰っていきました。でも、おしまいにやってきたネズミのちゅーたくんに、ぴちこちゃんは……。プロポーズする動物の表情がかわいらしい絵本です。

「こどものとも」180号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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1970年

1970年度には新作はありません。

10月 14, 2005 1970年, 「こどものとも年中向き」バックナンバー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/10/07

「こどものとも」の思い出 編集者として、作者として  荒川 薫

 私が福音館書店編集部で仕事をしていたのは1960〜64年、「こどものとも」の号数でいえば49号から101号の間です。その時期に、たくさんのすばらしい画家や著者の方々に出会い、その作品に触れることができたのは、この上なく幸せなことでした。今、その頃の一冊一冊を見ていくと、思い出も次から次と湧き出てきます。
 私は幼い頃、「コドモアサヒ」という月刊絵本に載っている初山滋先生の絵が大好きでした。その憧れの初山先生に『たなばた』(88号)を描いていただくことになった時は、まさに天にも昇る心地でした。資料をお届けしたりして何度も練馬のお宅へ伺いました。当時、他社の編集者の間では「初山先生は気難しいお方」という風評があったようですが、そんなことはまったくなく、丁稚時代の話などを茶目っ気たっぷりに、愉快そうに話してくださいました。出来上がった『たなばた』の原画の、それは美しかったこと。その感激は忘れられません。

 ちょっと変わった体験として思い出されるのは『しょうぼうじどうしゃ じぷた』(91号)です。資料のためにジープを改造した消防自動車の写真を撮りに、埼玉県の深谷からタクシーでかなり行った小さな消防署を訪ねました。写真を撮り終わり、帰る段になって、さてどうやって帰ろうか。タクシーを呼ぶという才覚もなくまごまごしていたら、消防署員が“じぷた”で深谷駅まで送ってくれました。今では考えられない鷹揚さ(?)ですね。乗っている間は意気揚々でしたが、駅で降りるときは少し恥ずかしかったです。
 退社してから私は3人の息子に恵まれ、子育てに明け暮れていましたが、その頃書いた最初の童話が「ころころだるまさん」です。自分の幼児体験と目の前の幼い息子たちの様子とが重なってできた話です。「母の友」に載って、それだけでもとても嬉しかったのに、なんと在職中『かさじぞう』(58号)『だいくとおにろく』(75号)でお世話になっていた赤羽末吉先生の絵がついて「年少版こどものとも」(1969年7月号)になりました。赤羽先生は「この話は幼年物だから」とおっしゃって、それまでの和紙に筆の絵とは違い、パステルで描いてくださいました。「このパステルはね、フランス製なんだよ」と、買ったばかりのきれいなパステルを見せてくださった赤羽先生の姿を鮮明に思い出します。

荒川 薫(あらかわ かおる)
東京都に生まれる。学習院大学国語国文学科卒業後、福音館書店に4年間勤務。家庭に入ってから、子どもに読み聞かせるお話を書きはじめ、「母の友」その他に掲載。絵本に、『ぼくおおきくなった?』(「年少版こどものとも」1984年1月号)、『てがみをだしに』(「こどものとも年中向き」1987年10月号)、『あしたてんきになあれ』(「こどものとも」1992年10月号)、『ともこのかいすいよく』(「こどものとも」1997年8月号)などがある。現在、全国各地の幼稚園・保育園などで、絵本やわらべうたについての講演を行なっている。神奈川県在住。

10月 7, 2005 1969年, エッセイ | | コメント (2) | トラックバック (0)

1969(昭和44)年度にあったこと

沖縄デー事件:4月28日の沖縄デーに新左翼系学生・労働者が、銀座・有楽町一帯を占拠。都内各所でゲリラ行動。(4月)
政府、初の「公害白書」を発表。(1972年からは「環境白書」になる)(5月)
日本初の原子力船「むつ」進水。(総工費56億円)(6月)
水俣病訴訟:水俣市の患者112人が、チッソ(元、新日本窒素)に対して総額6億4000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。(6月)
アメリカの宇宙船アポロ11号が月面着陸にし、乗員2名が人類で初めて月に立つ。この模様が世界各地に宇宙中継された。(7月)
夏の甲子園、全国高校野球選手権決勝戦で松山商業・三沢高校戦が延長18回0対0で引分け再試合となる。(翌日、4対2で松山商業が優勝)(8月)
『男はつらいよ』(監督山田洋次、主演渥美清)第1作が公開される。(8月)

金田正一投手がシーズン最終戦で400勝を達成し引退。(10月)
佐藤首相、ニクソン大統領との会談で安保条約堅持、1972年に沖縄返還などの共同声明を発表。(11月)
東京都、70歳以上の老人医療費無料化制を実施。(12月)
コイン・ロッカー・ベビー事件:渋谷区のコインロッカーで嬰児の死体が発見される。この事件以降コインロッカーに嬰児が捨てられて死亡する事件が多発した。(2月)
大阪府吹田市の千里丘陵で「人類の進歩と調和」をテーマに、日本万国博覧会開幕。(3月)
よど号ハイジャック事件(3月)


主なベストセラー:『天と地と』海音寺潮五郎(朝日新聞社)、『都市の論理』羽仁五郎(勁草書房)、『赤頭巾ちゃん気をつけて』庄司薫(中央公論社)
テレビ:『水戸黄門』(TBS)、『8時だヨ!全員集合』(TBS)、『サザエさん』フジテレビ、『サインはV』(TBS)、『ムーミン』(フジテレビ)、『巨泉・前武ゲバゲバ90分』(NTV)、『時間ですよ』(TBS)など放送開始。
新商品:トイレ用防汚剤「ブルーレット」(小林製薬)、カセットガスこんろ「イワタニホースノン」(岩谷産業)、100%愛媛みかんの「ポンジュース」(愛媛青果連)、A4判女性誌『an・anアンアン』(平凡出版<現マガジンハウス>、アートディレクター堀内誠一)
ヒット曲:『夜明けのスキャット』由紀さおり、『港町ブルース』森進一、『ブルー・ライト・ヨコハマ』いしだあゆみ
この年に登場したもの:押しボタンダイヤル電話機(電電公社、翌年4月にプッシュホンと命名)、「すぐやる課」(千葉県松戸市)、自主流通米


福音館書店では:月刊科学絵本「かがくのとも」刊行開始(4月)

10月 7, 2005 1969年, そのころあったこと | | コメント (0) | トラックバック (0)

福音館書店から(第14回)

 先週は、のっけから誤植のお詫びで失礼しました。『こどものとも復刻版(A・Bセット)』の付録小冊子は訂正版ができまして、すでに正しいものと差し替えたセットを販売しておりますので、どうぞ安心してお求め下さい。

 今回公開の1969年度には、「年少版こどものとも」(現在の「こどものとも年中向き」)の新作が含まれています。この年には新作が4点ありました。その最初の新作となりました『ころころだるまさん』の作者、荒川薫さんに今回のエッセイを書いていただきました。荒川さんは初期の「こどものとも」の編集に携わっていた方です。

 次回からは、またしばらく「年中向き」の新作はなくなります。「年少版」という名で出された新作は、この1969年度の4点だけということになります。このへんの「年少版」「普及版」「年中向き」という名前の変遷は、たいへんわかりにくくてすみません。もう一度まとめますと、

現在の「こどものとも年中向き」の名前の変遷
1968年度から1972年度まで 「年少版こどものとも」
1973年度から1985年度まで 「普及版こどものとも」
1986年度以降 「こどものとも年中向き」

現在の「こどものとも年少版」は1977年4月に創刊
1977年度から1998年度まで 「年少版こどものとも」
1999年度以降 「こどものとも年少版」

となります。(現在の「年少版」も途中で名前がひっくりかえったりして、ますますわかりにくくて申し訳ないのですが、これがすべてですので、なにとぞよろしくご理解ください。

10月 7, 2005 福音館からのお知らせ | | コメント (0) | トラックバック (0)

おてがみ

1969年4月号
030157

なかがわりえこ さく なかがわそうや え

子ネコのにおのところに郵便屋さん届けてくれた大きな箱の中に入っていたのは、真っ赤な風船についた「あそびにきてね」というたまこちゃんからの手紙。におは風船をもってかけだしました。ところが風船はにおの手を離れ、三毛ネコみーたのところへ飛んでいき……。次には黒ネコくろすけのところへ……。軽やかに展開する春の息吹いっぱいの絵本です。

「こどものとも」157号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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パトカー ぱとくん

1969年5月号
030158

渡辺茂男 さく 山本忠敬 え

ちびっこパトカーのぱとくんは、大きなパトカーや覆面パトカー、スポーツパトカーや白バイの活躍をうらやましく思っていました。でも団地では、子どもたちが安全に学校や幼稚園に通えるように働いているぱとくんは、人気者です。ある日、団地の子どもが行方不明になり、ぱとくんが出動します……。『しょうぼうじどうしゃじぷた』のコンビによる乗物絵本です。

「こどものとも」158号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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こぶたのまーち

1969年6月号
030159

むらやまけいこ さく ほりうちせいいち え

子ブタのるーは毎日ラッパのけいこをしていますが、父さんみたいに上手に吹けないので、いやでたまりません。ある日るーは、父さんのラッパが鳴らなくなればいいと思って、ラッパにもぐりこみましたが、父さんが思い切り吹くと、ものすごい音とともに飛び出して、原っぱを越え、森を越え、落ちたのは町のテレビ局の前。テレビでラッパをふくことになり……。苦手なことにも元気になれる絵本です。

「こどものとも」159号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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みんな おいで

1969年7月号
030160

あまんきみこ さく 川上越子 え

かんかんでりの暑い日、庭で遊んでいたえっちゃんが水を飲んでこようと走り出すと、後ろから「みず みず みず……」という声が追いかけてきました。えっちゃんがホースで庭のキンセンカに水をかけてやると、花たちは大喜びで歌い出しました。「えっちゃんの水はおいしいよ」すると、ハゲイトウやユリやダリヤなどたくさんの花が次々と……。真夏の昼下がりの幻想的な絵本です。

「こどものとも」160号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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くろおおありの くろ

1969年8月号
030161

馬場喜敬 さく 飯田四郎 え

クロオオアリのくろは働き者。あおむしをつかまえて、女王アリや幼虫の待つ巣に運び仲間にわたします。こんどは木に登って、カブトムシやハチといっしょに甘い汁を吸ったあと、木のてっぺんまで登っていくと、強い風が吹いて、空高く飛ばされてしまいました。見覚えのない場所で、くろは子ネコに爪で引っかけられそうになり……。アリの生態に即しながら、美しくデザインされた絵本です。

「こどものとも」161号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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おひゃくしょうとえんまさま

1969年9月号
030162

中国民話 君島久子 再話 佐藤忠良 画

昔、中国にえんま様のお祭りがありました。欲張りのえんま様から、一番お供えの少なかったお百姓をこらしめるようにと命じられた手下の鬼たちは、稲が実らないように頭が細く根が太くなる呪文をかけることにしました。ところがそれを知ったお百姓は、稲を作るのをやめて里芋を植え、大豊作。えんま様に怒られた鬼たちは次々に別の呪文をかけますが……。中国の昔話を佐藤忠良が描きます。

「こどものとも」162号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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かさもって おむかえ

1969年10月号
030163

征矢 清 さく 長 新太 え

急に雨が降り出した夕方、かおるは傘を持ってお父さんを駅で待ちますが、お父さんはなかなか帰ってきません。そこにオレンジ色のトラネコが現れて、お父さんの乗り換える駅までいっしょにいこうといいます。ネコについて電車に乗ると、そこにはクマやオオトカゲやカバが……。日常の体験を通して、子どもの空想を広げていく絵本です。

「こどものとも」163号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1977年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。

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さかさま

1969年11月号
030164

安野光雅 さく・え

トランプのジョーカーがトランプの国をご案内。トランプの国では、どちらが上でどちらが下かわからないことばかり。トランプの兵隊たちは、「きみたちはさかさまだ」「きみたちこそさかさまだ」と何百年も前からけんかしているのです。4人(8人?)の王様たちも大弱り……。そんな「へんだ、だんへ」な国を安野光雅が、見えるままに描きます。「ふしぎなえ」に続くふしぎな絵本第2弾。

「こどものとも」164号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1971年に「安野光雅の絵本」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。

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おばあさんのすぷーん

1969年12月号
030165

神沢利子 さく 富山妙子 え

おばあさんが大切に使っていた古いスプーンを、カラスがぬすんで木の上に隠してしまいました。雪が降り大風が吹いた時、木から落ちたスプーンを3びきのネズミが見つけて、スプーンに乗ってそりあそび。山をすべって、ジャンプして、おばあさんの家に飛びこみました。さわやかな色調の絵と口調のよい文章が楽しい物語絵本です。

「こどものとも」165号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

この絵本は1970年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行されて、現在も販売されています。

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からすのかんざぶろう

1970年1月号
030166

木島 始 さく 羽根節子 え

おばあさんは「からすかんざぶろう」の歌をうたうと、昔は白かったカラスが、どうして黒くなったのか話してくれました。遠い昔、えりぬの森に住む大目玉のフクロウは、訪れる鳥たちの羽を望みの色に染めてくれるのでした。カラスはフクロウに、誰にも使ったことのない色にするよう脅しをかけます。そこでフクロウはカラスを真っ黒に染めたのです。鳥の色彩の豊かさも楽しい絵本です。

「こどものとも」166号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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おんちょろちょろ

1970年2月号
030167

日本民話 瀬田貞二 再話 梶山俊夫 画

親類の家に使いに行く途中で男の子が、道に迷い、野原の一軒家に泊めてもらいました。その家の老夫婦は男の子をお寺の小僧さんと思いこんでいましたので、ご飯がすむとお経をあげてほしいといいます。男の子は、壁の隅から出てきたネズミを見て、思いつきで文句を唱えました。それを覚えて毎晩熱心に唱えていた老夫婦の家に忍びこんだた泥棒は、そのお経の文句を聞いて……。梶山俊夫の昔話絵本です。

「こどものとも」167号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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たらばがにの はる

1970年3月号
030168

あんどうみきお さく おのきがく え

北国の海の底にも春がきました。タラバガニの夫婦は浅い海へ移動して、卵の孵化と甲羅のぬぎかえをしなければなりません。途中で、旅から帰ってきたマスたちに挨拶したり、砂に隠れていた大きなオヒョウにびっくりしたりしながら、浅い海にやってきました。岩陰で卵を孵し、タラの攻撃からお互いを守りながら交代で脱皮を終えました。海の生き物の生態をしっかりとふまえた絵本です。

「こどものとも」168号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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ころころ だるまさん

1969年7月号
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荒川 薫 さく 赤羽末吉 え

とおるくんのもっている赤いだるまさんは、いつもいばった顔をしています。ところがある日、縁先でのびをしたネコに押されて庭に落ち、ころころ転がりだしました。アリにもスズメにもカエルにも止められません。植木鉢にぶつかると、くるんとまわって、ぽしゃーんと池に落ちてしまいました。泣きべそをかいていると金魚が助けに……。赤羽末吉の描くだるまの表情も楽しい絵本です。

「年少版こどものとも」1969年7月号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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てつたくんのじどうしゃ

1969年10月号
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わたなべしげお さく ほりうちせいいち え

てつたくんが歩いていると、車が1つ、2つ、3つ、4つ転がってきて止まりました。次には棒が2本とんとん歩いてきて2つの車輪の心棒になり、転がりはじめました。てつたくんもついていくと、車輪は板やエンジンに出会って、自動車ができあがりました。自動車は坂道を走っていきますが、曲がれません。てつたくんはハンドルを持ってきて、飛び乗ると上手に運転しました。シンプルで力強い絵の絵本です。

「年少版こどものとも」1969年10月号
19×26cm 28ページ 当時の定価100円

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もりのおばけ

1969年11月号
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かたやまけん さく・え

ぼくは弟と散歩にいって森の中までかけっこをしました。ぼくは弟を引き離して森の中に入っていきましたが、暗くてなんだか変なものがいっぱいいるようでこわくなってきました。そこで「おーい」と呼んでみると、森の奥から次々とおばけが「おーい」といいながら飛んできます。走って逃げると木の根っこにつまずいて……。片山健初めての自作の絵本です。

「年少版こどものとも」1969年11月号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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はじめてのゆき

1970年2月号
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なかがわりえこ さく なかがわそうや え

とらたが朝、外へ出てみると、どこもかもまっ白。とらたは、長靴に履きかえて雪の上に座りますが、お尻ごと雪に埋まってしまいました。そこでこんどはセーターを来て雪を両手いっぱいのせますが、つめたくてたまらず手袋をつけました。こうして帽子も身につけ雪の中を出かけます。すると雪だるまが「雪合戦だよー」と、雪玉を投げてきました……。初めて雪で遊ぶうきうきする気持がシンプルな絵のなかに描かれます。

「年少版こどものとも」1970年2月号
26×19cm 28ページ 当時の定価100円

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