2006/04/21

言葉には魂がある!−『バオバブの きの うえで』について  都 美納

 この昔話を語ってくださったジェリ・ババ・シソコは、マリ共和国でいちばん人口の多いバンバラ族の、伝統的な語りの匠(ジェリ)です。フランスから独立したマリには国営放送局ができました。そして10年目、ジェリ・ババの登場は大ヒットでした。週1回滑稽ばなしを語ったのですが、それが続いた1年間というもの、土曜の夜はマリ中の人間が一人残らずラジオの前に集まって笑いころげたといいます。

 文字を使うことをしなかった西アフリカには、専門的に技を磨いた語り部たちがいて、王の重臣あるいは漂泊の芸人として、その歴史や生活や愛を豊かに伝えてきました。
 「言葉には魂がある!(ニヤマ・ベ・クウマ・ラ)」と彼らはいいます。「預言者は書かなかった。その結果、彼らの言葉の、なんと生き生きと生命に溢れていたことか。声のない書物の中に凍りづめにされた知識、ああそれは、なんと貧しく寒い知識であろうか」とも。
 このお話の、言葉を知らないはずの男の子の歌もまさに魂の言葉。とりわけ古くからの自前の信仰をもつバンバラの人たちには、万物に精霊を認める、きびしいけれど調和的な宇宙感覚が根深く息づいているようです。

 師は、この国の公用語と定められたフランス語を決して口にしません。画家ラミンと通訳をしてくれる友人とわたしは、連日、師を囲んで、絵本をつくれるようなお話を紹介していただきました。そして『バオバブの きの うえで』のお話が出ると、全員「これ!」といっぺんに決まりでした。
 数日後、満天の星の下、ラミンの家で披露してくださった、本格的なこのお話のひき語りは……子どもも大人もしばらくは声を失ってしまったような至福の時でした。
 なぜか幼いころから絵を描くのが好きで好きでというラミンの絵は、あの師のまなざしと声を、どこか三味線の太棹にも似たンゴニの音色を、日本の子どもたちにも運んでくれるようです。マリの魂(いのち)のひびきとなって。
 (「こどものとも」1996年6月号折込付録より再録)

都 美納(みやこ みな)
1934年生まれ。日本女子大学文学部国文科卒業。1991年まで出版社勤務。訳書に『マンディングとテムネの昔話』(同朋舎「アフリカ昔話叢書」)、「バートンさんのどうぶつ日記」シリーズ(こぐま社)などがある。

*4月26日から東京都世田谷区の玉川高島屋で開催される“ぐりとぐらのともだちあつまれ! 福音館書店「こどものとも」絵本の世界展”の会場では、このジェリ・ババ・シソコさんが語る『バオバブの きの うえで』の録音をお聞かせしています。またラミン・ドロさんの原画も1点展示しています。(このイベントについてはこちらをご覧ください)

4月 21, 2006 エッセイ1996年 | | コメント (0) | トラックバック (0)

1996(平成8)年度にあったこと

クリントン米大統領が来日、橋本首相との首脳会談で極東有事について協議し「日米安保共同宣言」を発表。(4月)
国際サッカー連盟(FIFA)、2002年のW杯の日韓共催を決定。(5月)
政府は閣議で1997年4月からの消費税5%への引き上げを決定。(6月)
英国チャールズ皇太子とダイアナ妃、離婚に合意。(7月)
大阪府堺市で学校給食が原因で、O-157による集団食中毒が発生。患者は約6000人に達した。(7月)
第26回オリンピック・アトランタ大会(アメリカ)開催。日本は柔道で野村忠宏が金、田村亮子が銀など、合計金3、銀6、銅5。(7月)
俳優の渥美清、死去。(享年68才)(8月)
新潟県巻町で原発建設の是非を問う住民投票が、初めて実施され、反対が有権者の過半数に達する。(8月)
薬害エイズ問題で安部英帝京大前副学長、ミドリ十字の歴代3社長を逮捕。(8、9月)

沖縄の<米軍基地整理・縮小と日米地位協定の見直し>を問う県民投票で、約9割が賛成。(9月)
国連総会、爆発をともなうあらゆる核実験を禁止する包括的核実験禁止条約を圧倒的多数で採択。(9月)
新進、社民、さきがけ各党から参加し、民主党結成。代表、菅直人・鳩山由紀夫。(9月)
第41回衆議院選挙、初の小選挙区比例代表並立制で実施。自民党復調、社民は惨敗。(10月)
第2次橋本内閣、3年3ヵ月ぶりの自民単独内閣として発足。(11月)
ペルーで武装ゲリラが日本大使公邸を襲撃、数百人を監禁してたてこもる。人質は断続的に解放されたが、81人が越年。(翌年4月、ペルー軍の突入でゲリラ14人全員射殺して終結)(12月)
ロシアのタンカー・ナホトカ号が日本海で座礁。大量の重油が流出し沿岸に達した。(1月)
茨城県東海村の核燃料再処理工場で爆発事故。職員37人が被曝。(3月)

主なベストセラー:『失楽園』渡辺淳一、『患者よ、がんと闘うな』近藤誠、『読め』浜田雅功
ヒット曲:「あなたに逢いたくて」松田聖子、「Don’t wanna cry」安室奈美恵、「名もなき詩」Mr.Children

4月 21, 2006 1996年そのころあったこと | | コメント (0) | トラックバック (0)

ケンカオニ

1996年4月号
030481

富安陽子 文 西巻茅子 絵

とっちんの頭に赤いケンカオニが、のぶちゃんの頭に青いケンカオニが、とびのりました。赤ケンカオニに頭をけとばされたとっちんが、のぶちゃんなんかカエルに食べられちゃえというと、庭から大きなガマがやってきます。青ケンカオニに耳を引っ張られたのぶちゃんが、カエルなんかヘビにのまれちゃえというと大蛇が現れて……。こうしてクジラや恐竜までとびだす大変なけんかに発展しますが……。

こどものとも481号
19×26cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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あかい けいと

1996年5月号
030482

オリガ・ヤクトーヴィチ 作 松谷さやか 訳

カーチャは、いなかのおじいちゃんとおばあちゃんの家で夏休みをすごしていました。おばあちゃんが編み物をしながら居眠りして落としてしまった毛糸玉を、カーチャが追いかけていくと、途中でいろいろなものを見つけます。おばあちゃんの昔の写真、なくしたウサギのぬいぐるみ、おじいちゃんの帽子。そして、庭にまで転がった毛糸をたどっていくと、迎えにきたママに会えました。ロシアの画家の絵本です。

こどものとも482号
19×26cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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ひめねずみのみーま

1996年6月号
030483

白石久美子 さく

ヒメネズミのみーまは、キイチゴが実る日を楽しみにしていましたが、お母さんが下の子が熱を出してとりにいけなくなってしまったので、ひとりで家をぬけだし、森の中を進んでいきました。ところがヘビに襲われたり、川が増水していたり……。そのたびに、ヤマネのおじさんやカワネズミの助けを借りて、ようやくキイチゴの茂みにたどりつき、船いっぱいのキイチゴを持ち帰ります。

こどものとも483号
26×19cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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みどりのホース

1996年7月号
030484

安江リエ ぶん やぎゅうげんいちろう え

かんかん照りの暑い日、けんたはベランダにあった緑のホースに声をかけられて、一緒に散歩に出かけることにしました。駐車場の車を勝手に洗って叱られたり、砂場に水を流して子どもたちの砂遊びを手伝ったり、落書きされた塀をきれいにしたり、渇いた木に水をかけたりと、ホースとけんたは大活躍。真夏の水遊びのわくわくする気分を思いっきり楽しめる絵本です。

こどものとも484号
19×26cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

この絵本は「こどものとも傑作集」の1冊として刊行されています。

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ボッボッボッ

1996年8月号
030485

井上洋介 作

お母さんが怒って口から火をふいて、ボッ。お父さんも怒って、ボッ。おじいちゃん、おばあちゃんも、おにいちゃん、おねえちゃんも、ぼくの家はみんな、ボッボッボッ。笑っているのはイヌのポチだけです。ポチといっしょに遊び、イヌの子みたいにお散歩にいきます。すると友だちもヒヨコや子ネコになって遊んでいます。ポチと楽しく過ごしているあいだに、もう家の火は消えたかな……。

こどものとも485号
26×19cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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ペカンの木 のぼったよ

1996年9月号
030486

青木道代 ぶん 浜田桂子 え

赤ちゃんの時の病気のために体を動かすのが不自由なりんちゃんは、みっちゃんが幼稚園にくる途中で見た、ネコの親子がざぶとんのように身を寄せ合って寝ていた話を嬉しそうに聞いていました。友だちも集まって、ネコざぶとんのまねをして寝転がったり、木登りして遊んでいるうち、りんちゃんが木に登りたがっているのに気づきました。そこでみんなはりんちゃんを木に登らせてあげようと……。

こどものとも486号
26×19cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

この絵本は2004年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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ようくんとなみ

1996年10月号
030487

山内ふじ江 さく・え

ようくんは海辺で小石や貝殻を拾って遊んでいました。すると最初は小さい波が、それから大きい波が寄ってきて、ポケットから小石や貝殻をとっていってしまいます。ようくんが怒ると、もっと大きな波がきて、帽子も靴ももっていってしまいました。ようくんが取りもどそうとすると、もっともっと大きな波がやってきて……。いろいろな動物の姿が、迫力ある波の形にかくされています。

こどものとも487号
26×19cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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きんいろあらし

1996年11月号
030488

カズコ・G・ストーン さく

黄色く色づいた秋のやなぎむらに、“きんいろあらし”という竜巻が近づいてきました。赤トンボのあかねさんに教えられ、大急ぎで穴に隠れたり、枝にしっかりつかまって、準備しましたが、嵐が通りすぎた後、クモのセカセカさんがいません。風に飛ばされ、池に中で助けをよんでいたセカセカさんは、池の番人カメキチおじいさんに助けてもらいました。やなぎむらのおはなし、秋の巻です。

こどものとも488号
19×26cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

この絵本は1998年に「こどものとも傑作集」の1冊として刊行され、現在も販売されています。

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バオバブの きの うえで

1996年12月号
030489

アフリカ・マリの昔話 ジェリ・ババ・シソコ 語り みやこ・みな 再話 ラミン・ドロ 絵

昔、ジョレの村に男の子が生まれましたが、生まれて数ヵ月で両親が相次いで亡くなり、不吉な子どもだとして、遠くの森に捨てられました。男の子は、森の中で動物たちに育てられ、木や虫や石の話す言葉もわかる強い子どもに育ちました。けれどもある日、男の子は自分が動物たちとはちがうことに気づき……。アフリカで語り部の語った物語を採話し、アフリカの画家が絵を描きました。

こどものとも489号
19×26cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

この絵本は、こどものとも創刊50周年記念企画「こどものとも世界昔ばなしの旅II」の1冊としてハードカバーで刊行されています。
再話者のエッセイをこちらからお読みいただけます。

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やまがみさまの ゆきがっせん

1997年1月号
030490

山村輝夫 さく

冬休み、山に囲まれたおじいちゃんの家に遊びに行ったけんとじゅんは、木の上に大きな雪玉がのっているのを見て、不思議に思いました。おじいちゃんに聞くと、土地の山神様が夜になると雪合戦をするのだといいます。その夜、眠れずにいると、ふたりはいつのまにか森の中にいて、たくさんの動物たちといっしょに、山神様の雪合戦に参加することになったのです……。

こどものとも490号
26×19cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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まじょの おとしもの

1997年2月号
030491

油野誠一 作

ある朝、ヒロミちゃんは道に古いほうきが落ちているのを見つけました。ふざけてまたがってみると、本当にビューンと飛んで、富士山のてっぺんまで飛んでいきました。それから毎日、ヒロミちゃんはほうきで空を飛んで遊んでいましたが、からす天狗に怒られたり、ペルシアから空飛ぶじゅうたんに乗ってきた男の子と遊んだりしているうちに、魔女の一団に見つかって……。

こどものとも491号
26×19cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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ちからもちのタグボート とーとー

1997年3月号
030492

小風さち ぶん 山本忠敬 え

強いエンジンと2つのスクリューをもったタグボートのとーとーは、生まれて初めての仕事で、貨物船を引くことになりました。造船所から港にいくあいだに、ジェットフォイルや石炭運搬船や遊覧船が声をかけてくれます。初めて見る貨物船は見あげるような巨大な船で、とても動かせそうもないように思われましたが、とーとーはエンジンをうならせて力いっぱいひっぱりました。

こどものとも492号
19×26cm 32ページ 当時の定価350円(本体340円)

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もぐらのもっくん

1996年4月号
040121

松竹いね子 ぶん 島津和子 え

ある春の日、モグラのもっくんはカリカリという不思議な音で目を覚ましました。その音を聞くとじっとしていられなくなり、もっくんは音の源をさがしに、巣穴を飛びだし走っていきました。途中でカメやヒキガエルやノネズミに出会い、ネコに追いかけられたりしながら、ようやくたどりついた穴にはモグラの女の子がいました。それから2ひきはなかよく一緒に暮らすようになったのです。

こどものとも年中向き121号
19×26cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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トゥユのたんじょうび

1996年5月号
040122

ウルセル・シェフラー 作 若林ひとみ 訳 おぼまこと 絵

ゾウのトゥユは自分の誕生パーティーに、たくさんの友だちを招待することにしました。バナナやパイナップルをたくさん集め、椅子やテーブルを新しく作り、バナナの葉に手紙を書いてみんなに送りました。ところが準備で疲れたトゥユは、パーティーの始まる前に寝いってしまいました。それを見た森の友だちは、みんなで作った誕生日の歌を歌って、トゥユを起こそうと考えました。

こどものとも年中向き122号
26×19cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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ねんに いちどの のみのいち

1996年6月号
040123

高松 葉 ぶん 大島英太郎 え

今日は年に一度、一日かぎりの動物たちのノミの市。シジュウカラの届けてくれたビラを見て、動物たちは山の中の池を目指して、わくわくがやがや出かけます。キツネは自分が挟まれたトラばさみを売っています。ツバメは泥と藁で作った置物、ハタネズミは磨いたヤマグリの殻……。そしていちばんの楽しみは福引です。日が沈むころ、みんないい物を手に入れて大満足して帰っていきます。

こどものとも年中向き123号
19×26cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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あか あお ふたりで

1996年8月号
040125

U. G. サトー さく

赤と青の色鉛筆が走り出すと、赤と青の2本の線が、くねりながら、はねまわりながら、一筆描きで様々な形を作っていきます。雲や波になったり、鳥、イルカ、ペンギンなどいろいろな動物になったり……。やがて森の木々になり、森がぐんぐん深くなると、まっ黒の闇を背景に、コウモリ、ミミズクの姿へと、赤と青、2本の線の旅は続きます。版画・ポスター・立体等で活躍するU.G.サトーの絵本。

こどものとも年中向き125号
19×26cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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くまのしっぽ

1996年9月号
040126

ベラルーシの昔話 内田莉莎子 訳 小野かおる 絵

昔、動物たちはしっぽをもっていませんでした。しっぽをもっているのは王様のライオンだけでした。しっぽがないとハチやアブを追い払うこともできないので、ライオンは「しっぽがほしいもの集まれ」とおふれを出しました。キツネ、オオカミ、ウシ、ウマ……と、動物たちは次々しっぽをもらっていきましたが、途中で昼寝をしていたクマはしっぽをもらいそこね……。

こどものとも年中向き126号
26×19cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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ありあり まあまあ

1996年10月号
040127

古山浩一 さく

働きアリのありあり君はキャラメルが入っている箱を見つけました。そこに友だちのまあまあさんがやってきたので、続けて呼べば「ありあり まあまあ」。それから、カメののーそのそ、バッタのぴょんぴょん、ムカデのぞーろぞろ、モグラのえっさほい、アマガエルのげーこげこ、つぎつぎに仲間たちがやってきます。並んだ順番に呼んでみると……。名前のくり返しをめいっぱい楽しむ絵本です。

こどものとも年中向き127号
19×26cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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やまやまの へっぴりじさま

1996年11月号
040128

小林輝子 再話 梶山俊夫 画

ある日、じさまが山で木を伐っていると、「木を伐るのはだれだーっ」と叫ぶものがあったので、じさまは「へっぴりじぃだ」と答えました。すると「ここさきて、へをたれてみよ」といわれ、山の神の前で得意の屁を披露することになりました。じさまが褒美にもらった小さなつづらには、金やお米、着物などがたくさん入っていました。それを知ったとなりのじさまも、まねして山にいきましたが……。岩手の昔話です。

こどものとも年中向き128号
26×19cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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ふゆのいちばへ おかいもの

1996年12月号
040129

大井戸百合子 さく

冬休み、やっちゃんは田舎のおばあちゃんの家にきています。今日はおばあちゃんと一緒に市場に買い物に出かけました。大きな魚がいっぱいの魚屋さん、お菓子屋さん、薬屋さん……。おばあちゃんが知り合いとおしゃべりしています。やっちゃんはひとりで市場を見てまわるうちに、迷子になってしまいました。北海道の雪の中の市場の様子を、生活感豊かに描きます。

こどものとも年中向き129号
26×19cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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こうしが みつけた

1997年1月号
040130

池谷陽子 さく

雪に埋もれた牧場で子ウシが生まれました。ユキと名づけて毎日世話をしていると、やがて待ちに待った雪どけの季節がやってきます。大きくなったユキはさっそく外に飛びだします。追いかけていくとユキが急に立ち止まったところに、フキノトウが顔を出していました。様々な色と材質の布を重ね合わせて絵を構成するアプリケの技法で、牧場の生活と自然を描いています。

こどものとも年中向き130号
26×19cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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むらいちばんのりょうしアイパナナ

1997年2月号
040131

アジア・エスキモーの昔話 V.グロツェル・G.スネギリョフ 再話 松谷さやか 文 高頭祥八 画

北の海辺の村に、小さな男の子アイパナナはおばあさんとふたりで暮らしていました。ある日、冬のために蓄えておいた肉をとりにいくと、ネズミにほとんど食べられていました。アイパナナは泣きだしましたが、ネズミの母親が「もう、おなかをすかすことはありません」といってアイパナナにさわると、アイパナナはみるみるたくましい男になったのです。やがてアイパナナは村一番の猟師になりました。

こどものとも年中向き131号
26×19cm 28ページ 当時の定価320円(本体311円)

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