『憲法・宣言・条約集』(新訂)でした。
福音館書店が出版業を始めた当初、刊行していた「福音館小辞典文庫」の一冊で、10月号の原稿で松居がその編集に込めた思いを語っていた本です。
「当初福音館は小学生から大学生が使えるような小さな辞典のシリーズを作っていて、全部で百冊くらい出しました。
中でも『憲法・宣言・条約集』は、ぼくとしては一番作りたい本でした。アメリカの独立宣言の本文は、よっぽど詳しいアメリカ史の専門書以外にはなかなか載っていないんですうよ。ぼくは本文が大好きでしたから、すべて掲載しました。」(10月号「私のことば体験」より)
ページをめくってみて、驚きました。日本国憲法はもちろん、大日本帝国憲法、ポツダム宣言、日ソ共同宣言、日中共同声明、沖縄返還協定、日米安全保障条約、核拡散防止条約、人間環境宣言、不戦条約、スイスの永世中立宣言、国際連合教育科学文化機構(ユネスコ)憲章、世界人権宣言、国際婦人年メキシコ宣言、児童の権利宣言などなど……「民主憲法の精神を歴史的な深まりと国際的な広がりにおいて理解することが必要と考え」て集められた資料がぎっしり。
せっかくなので、ここに「アメリカ独立宣言」本文の一部を引用してみます。
アメリカ独立宣言(1776年7月4日 アメリカ13連合邦の満場一致の宣言)------------
人類の出来事の過程において、一国民がこれまで他国民と結んでいた政治的紐帯を断ち、自然の法と自然の神の法とによつて与えられた自立平等の地位を、世界の強国の間で占めることが必要となる場合、人類の意見を相応に尊重する意味で、その国民は、分離せざるをえなくなった理由を宣言する必要がある。
われわれは以下の真理を自明であると考える。
すなわち、全ての人間は平等に造られ、創造主によつて一定の譲渡することのできない権利を与えられ、そのなかには生命、自由および幸福の追求が含まれていること。
また、これらの権利を確保するために、人類の間に政府が設けられ、その正当な権力は被治者の同意に由来すること。そして、いかなる政治の形態でもこれらの目的を破壊するようになつた場合には、それを変更又は廃止して、自己の安全と幸福を達成するのにもっともふさわしいと思われる原理を基礎とし、またそのような形で権力を組織する新しい政府を設けることが人民の権利であること。
これである。
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