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2011年6月20日 (月)

絵本作家のアトリエ・大竹伸朗さん

Photo 更新がすっかり遅れてしまいました……。

好評発売中の7月号、「絵本作家のアトリエ」は大竹伸朗さんです!

現代美術家として知られる大竹さんの(作・絵ともが)唯一の絵本が『ジャリおじさん』。
鼻からひげの生えたふしぎなおじさんがじゃりじゃり言いながら黄色い道を旅するお話です。

愛媛県宇和島市のアトリエを訪ね、創作について、絵本について、たっぷりうかがいました。

Photo_4

絵を中心に、コラージュ、立体、絵本、印刷物など、表現方法も多彩なら、作品数も桁違い。
どこまでも鋭く過剰な人――それが現代美術家、大竹伸朗の印象だったから、『ジャリおじさん』はすこし不思議だった。
ナンセンスでへんちくりんで平和で、どこかあたたかい世界。
そしてそれが彼の唯一の絵本だというのだ。

はじまりはドラマチック
3月初め、機内からは瀬戸内海に浮かぶ島々を、松山発特急列車からは菜の花の咲く里の春を楽しむあっという間の4時間の旅の末、列車は11時半、終着駅に到着した。
約束は午後2時。まずは街を歩いて昼食をとろうと、ぼんやり向かった改札口には、なんとすでに黒いキャップを後ろ前に被った革ジャン姿のひげ面男性(作家本人)が待っていた。
「いらっしゃい。昼飯、まだだろ?」。

地元の人たちで賑わう麺どころに入り、小さめのテーブルをぎゅっと囲む。
「ここ、昔は丼物もやってたんだけど、いつのまにか麺だけになったよな」と言いながら、作家はラーメンをすすった。

店を出て、アトリエに向かっていたときだ。
車が交差点で突然急停車、通りを歩いていた少女がそれに気づいて、こちらにかけてきた。
紅潮した頬でなにやら会話を交わしたかと思うと、自宅まで送っていくことに。

昆布座席に乗り込んできたその少女は、昨日高校を卒業したばかりの大竹さんの次女の同級生。
耳にピアスの穴を開けた帰りに歯科医院で検査をしたら、誤って奥歯に穴を開けられてしまったという。
事情を話し始めた純な18歳少女の目からは、ショックと痛さで涙がぽろぽろこぼれている。
どうやって励まそう、と身を固くしていると、前席から声がした。
「なおちゃんももう高校卒業だもんなあ、ほんと早いよ」。
とても優しい、お父さんの声だ。

Photo_3 アトリエか、巨大倉庫か
少女を自宅前で降ろし、車は山の奥へと上っていく。
13年前に建てたというアトリエは、倉庫のように、斜面にそびえていた。でかい。

「描いたものはその瞬間忘れ去って次を描くっていう感じだから、どこに何があるか覚えてないんだよね」。

棚から無造作に一枚、青い風景がを引き出す。

「この絵とか、7年ぶりにみるけど、当時の気持ちが出てる。
今だったらこういうふうにならないんじゃないかな。
人の感情って、喜怒哀楽っていうよりもっと複雑。
言葉や態度で表現できない気持ちっていうのが、絵とか音楽に近いと思う。
自分にとって創作は、ずっと微熱が続く感じというか、そんな状態。
自分の内側の世界が表面に出る、っていうのがハッピーなんだけど、出ちゃうと終わる。
そうするとまた次。
それを延々と繰り返しているだけで。」

*この続きは、本誌でお読みください。
(写真・浅田政志)

6月 20, 2011 今月の“立ち読み” |

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