« 謹賀新年 | トップページ | 「ピーターラビット」解体新書 »

2011年1月 5日 (水)

絵本作家の書斎・ルース・スタイルス・ガネットさん

Photo 2月号「絵本作家のアトリエ」と「絵本作家の書斎」の豪華2本立てでお送りしています。

書斎」でご紹介するのは、幼年童話の傑作『エルマーのぼうけん』の作者、ルース・スタイルス・ガネットさん です。

1948年にアメリカで出版されたこの本は、以来10カ国語に翻訳され、世界中の子どもたちに読み継がれています。

昨年10月に来日された際、小社にも立ち寄られ、貴重なお話をうかがうことができました。
とにかくかわいらしい方なのです、ぜひお読みください!

Rsganett1_3年前、「『エルマー』の作者が来日する」と聞いて、驚いたのを覚えている。
たしかあの本が出たのは、60年以上前のはず……その人が、来る!?

10月の晴れた午後、タクシーから降り立ったルース・スタイルス・ガネットさんは、ジーンズ生地のワンピースに白いハイソックス姿。
小柄だが、87歳には見えない足取りの軽さと人なつっこい笑顔に、思わず「ぴょんぴょこいわ」を飛ぶ姿が浮かんだ。

「私はホンモノよ。ほらここに、まだこうして生きています(笑)」

現在、アメリカ・ニューヨーク州郊外に住むガネットさんにとって、日本は今回が初めて。
娘と孫を連れてのプライベート旅行だが、個人的に3つの目的があったという。1つは、14歳になる一番下の孫との初めての旅行を果たすこと。
2番目は、長年親交のある友人との再会。
そして3つ目が、「こんなに長い間、私の本を持ちこたえさせてくれた日本の方々に、心からの感謝をお伝えすること」。

Rsgannet2_2 「出版当初、ほんのちょっと家族を支えられればというだけだったのに! この本のおかがで、私は7人の娘と8人の孫を育てることができました。
そしてわが国が他国に対して犯している様々な悪行を改めさせようとしている人々に、私なりの貢献をすることも。
もちろんですとも、私たちは自分の国が何を冒しているか、自覚していますよ。
人間の横暴さにはほとほと頭にきています。
私の本は、取るに足らないものかもしれない。
でも、私は私のできることをするしかないですからね」。

『エルマーのぼうけん』がアメリカで出版されたのは1948年。
その後スウェーデン後を筆頭に(日本語版は2カ国語目)各国語に次々と翻訳された。
11カ国語目となる中国語版が、2年以内に刊行予定だという。
そう説明した後で、ガネットさんは、こう言った。

「一つ知っておいていただきたいのは、私は作家ではないということです」。

*この続きは、本誌でどうぞ。
(写真:永野雅子)

1月 5, 2011 今月の“立ち読み” |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 絵本作家の書斎・ルース・スタイルス・ガネットさん:

コメント

こんにちは。
8歳の長女が昨年子ども劇場で人形劇「エルマーの冒険」を観たところでした。自分が小さい時、母に何回も寝る前に読み聞かせをしてもらったので、大好きだったのです。劇を観る前に、図書館で借りて読み聞かせをしてやりました。
劇場で販売もあり、「欲しい!」と言うのですぐ購入しました。でも今は本棚に飾ってあるだけです。もう少し大きくなったら、思い出して自分で読んでくれるかな?
竜たちを救いだす、エルマーの知恵と行動力はいつの子どもにも夢と勇気を与えてくれますね。

このページで予告を見て、ぜひガネットさんのことを知りたいと、本屋さんに行き購入しました。
2月に入っていたので、本が残っているか不安でしたが、幸か不幸かありました。
ガネットさんが、作家ではないと知って、ビックリ。何か素敵な物語が、私にも書けるかも?な~んて妄想してしまいました。

投稿: かもめ | 2011年2月13日 (日) 10時32分

この記事へのコメントは終了しました。