ご飯で、つながる。
食の安全や食糧自給率など、食をめぐる問題が指摘されるなか、「シンプルに、ご飯食のよさを見直そう」という動きも出てきています。
2月号の特集「ご飯で、つながる。」は、そんな動きを体現している人たちの試みをレポートします。
向かったのは滋賀県草津市。
炊きたてのご飯のおいしさをわが子に伝えたいとの思いがきっかけでつながりはじめた、お母さんたちの輪と、作る人と食べる人をつなごうと模索する米農家。
2つの物語がつながったとき、見えてくるものがありました。
ご飯のおいしさを広めたい!
──母親サークル「むすび」の会の取り組み
滋賀県草津市に、炊きたてのご飯のおいしさを子どもたちに伝えたい! という思いのもと、「ご飯食を広める」サークルを始めた元気なお母さんたちがいる。
その名も「むすびの会」。
いったいどんな集まりだろう?
どうしてご飯なの?
こんにちは、「むすび」の会
滋賀県南部、草津市内にある一軒の家から、にぎやかな話し声が聞こえてくる。集まっているのは、6人の女性たち。子どもをあやしながら車座になって話しこんでいる。話題は、ご飯のこと。
2009年に立ち上がった「むすび」の会は、近所に住んでいたり、同じ小学校に子どもを通わせたりするお母さんたち10人ほどがメンバーだ。
月に一度、その日都合のつく5、6人が、だれかの家に集まって、「ご飯食のよさ」を広めようとあれこれ作戦を練るのだという。
ご飯に合う簡単なおかずレシピを紹介する「むすび」通信を発行したり、地元農家の協力を得て「田んぼ体験」(田植え、草引き、稲刈り)をしたり。
昨年のはじめには「毎日のご飯どうしてる?」をテーマに「もりもり毎日ごはん座談会」を企画し、地元の自然食レストランのシェフや、有機栽培を手がける農家をゲストスピーカーとして招いた。
するとなんと60人近いお母さんたち(子どもも合わせると100人以上!)が集まった。
「20人も来れば万々歳だと思ってたんです。ところが、ふたをあけたら、えらいことで(笑)」。
そう話すのは、座談会で司会をつとめた綾牧生さん。
参加者の熱気はアンケートの回答からも伝わってくる。
「人数の多さにびっくりでした。やはり子を持つと食への関心が高くなるんだと実感しました」。
「『子育て中のお母さん』という同じ境遇の方々の悩みや工夫などが参考になり、情報だけでなく考え方なども今一度自分自身にも問いただす、よい機会となりました」。
大人数のため、話題が次から次に出て、なかなか議論を深めるというわけにはいかなかったそうだが、「玄米ご飯の炊き方」というテーマでは、圧力鍋でおいしく炊くためのこつなど、たくさんの発言があって、盛り上がったという。
始まりは一人だった
それにしても、なぜ彼女たちはごはん食を広めようと思ったのだろう?
会の「代表のようなもの」を努める佐々木智子さんはこう話す。
「実は、私の娘には、生まれつき心疾患がありまして(現在は根治手術済)、日々、元気に過ごしてもらうには、どうやら食事が大事ではないかと思いいたり、どうしたらよいか家庭でいろいろ頭を悩ませていたんです。
そんなときに、幕内秀夫さんの『こどもおやつ』という本を読んで、目からウロコが落ちるような思いがしました」。
*続きは、本誌でご覧ください!
12月 28, 2010 今月の“立ち読み” | Permalink
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