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2010年11月30日 (火)

写真分離派宣言@NADiff Gallery

Syahinnbunnriha 来る12月11日(土)、東京・恵比寿のNADiff Galleryにて、1963年生まれの3人の写真家、2人の批評家による、写真の可能性を問い直す「写真分離派宣言」が発表されます。

連載「空もよう」の写真を担当してくださっている鈴木理策さんもその一人です。

デジタルカメラの普及に伴い、近年写真のあり方は大きく変化しました。今回、それぞれプレゼンスは違えど純粋に写真と向き合う5人が出した、宣言とは──。

作品展示とレクチャーによって紹介されるこの取り組みに、ぜひご注目ください。

「写真分離派宣言」

期 間 2010年12月11日[土] - 2011年1月30日[日]
    12:00~20:00 年末年始を除き無休
    
会 場 NADiff Gallery
    NADiff a/p/a/r/t(ナディッフアパート)
    〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 1F
    JR恵比寿駅・東京メトロ恵比寿駅から徒歩約6分
    http://www.nadiff.com

協 力 Gallery Koyanagi、TARO NASU、Yumiko Chiba Associates / Zeit-Foto Salon(アルファベット順)
    
トークイベント 
■2010年12月11日[土]初日 17:00 - 19:00
 『スナップショットについて』倉石信乃 × 清水穣
 ※19:00 - 20:00、ささやかなレセプションパーティを行います。
■2010年12月25日[土] 17:00 - 19:00
 鈴木理策 × 鷹野隆大
■2011年1月30日[日] 15:00 - 17:00
 鷹野隆大 × 松江泰治
いずれも、入場無料(予約不要)
※先着30名様以降は立ち見となりますのでご了承ください

アーティスト・ステイトメント
 誕生からおよそ170年、写真が大きな節目を迎えている。近い将来、新聞も雑誌もポスターも紙に印刷する時代は終わり、紙のように薄いモニター画面に表示する日が来るはずだ。扱われる画像は大半が動画となり、写真はマスメディアでの行き場を失うだろう。生き延びるとしたら美術の分野しかないはずだが、そのとき主流になるのは加工や合成を駆使した“絵画的写真”となってしまうような気がしてならない。
 そう考えるひとつの理由は、写真を単なる素材として扱う傾向が加速していることである。写真と実体との関係がどんどん希薄になっているのである。背景にはデジタル技術の一般化によって多くの人が「所詮写真は真実を写さない」と考えるようになったことがある。
 もちろん写真は“真実”を写したりはしない。写すべき“あるがままの現実”があると思っているわけでもない。写真が醸す“リアルさ”がイリュージョンに過ぎないことも十分承知だ。しかしだからと言って、誕生以来続いて来た“ストレート写真”が無意味になったとは思わない。それらは今でも実体の陰画として存在感を放っている。そこに漂う“生々しさ”こそ、170年の歴史の中で写真が紡いで来た独自の世界ではなかろうか。
 1963年生まれに写真家が多いのは偶然とは思えない。それは70年代という写真の黄金時代に幼少期を過ごし、フィルムで撮影することを当然のこととして身体化した最後の世代だからだ。“写真”が崩壊しつつある今、我々は改めてその可能性を提起したい。(文責/鷹野隆大)

プロフィール
鈴木 理策 (すずき りさく)
写真家。1963年和歌山県生まれ。1987年東京綜合写真専門学校研究科卒業。1990年初個展。
2000年に写真集『PILES OF TIME』(光琳社出版・絶版)にて第25回木村伊兵衛写真賞受賞。
時間や記憶、場所の気配など、視覚に収まらない感覚を主題とする作品を発表し続ける。
2006年、第22回東川賞。2008年、写真協会年度賞。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科准教授。
【主な個展】
「SAKURA」(金峯山寺本地堂/2010年)、「WHITE」(ギャラリー小柳、2009年)、「熊野、雪、桜」(東京都写真美術館/2007年)など。
【主な写真集】
『Yuki Sakura』(Nazraeli Press/2008年)、『熊野、雪、桜』(淡交社/2007年)、『JUN AOKI COMPLETE WORKS 2 / AOMORI MUSEUM OF ART』(INAX出版/2006年)、『Mont Sainte Victoire』(Nazraeli Press/2004年)、など。
東京国立近代美術館、東京都写真美術館、ヒューストン美術館、国際写真センター(ICP)などに作品が収蔵されている。

鷹野 隆大 (たかの りゅうだい)
写真家。1963年福井県生まれ。1987年に早稲田大学卒業後、1994年から作品を発表し始める。
2006年にセクシュアリティをテーマにした写真集「IN MY ROOM」(蒼穹舎)で第31回木村伊兵衛写真賞受賞。
性のあり方を問い直す作品の他、日本の都市空間を日々記録し続けている。
【主な個展】
「金魚ブルブル」(ツァイト・フォト・サロン/2010年)、「おれと」(ナディッフ・ギャラリー/2009年)など。
【主なグループ展】
「液晶絵画」(国立国際美術館他/2008年)、「手探りのキッス」(東京都写真美術館他/2001年)など。
【主な写真集】
『男の乗り方』(Akio Nagasawa Publishing/2009年)、『IN MY ROOM』(蒼穹舎/2005年)など。
東京都写真美術館、国際交流基金、上海美術館などに作品が収蔵されている。

松江 泰治 (まつえ たいじ)
写真家。1963年東京生まれ。1987年東京大学理学部卒 衛星画像処理。
1987年以降、個展多数。1996年、東川賞新人作家賞。 2002年に第27回木村伊兵衛写真賞受賞。
世界の僻地から大都市までくまなく巡り、場所を探査し地名を収集するように制作。
作品は地名または都市コードで統一されている。
【主な個展】
「survey of time」(TARO NASU/2010年)、「nest」(Amador gallery/2008年)、「nest」(TARO NASU/2008年)、「cell」(TARO NASU OSAKA/2007年)など。
【主な出版】
『cell』(赤々舎/2008年)、『JP-22』(大和ラヂヱーター製作所/2006年)、『TAIJI MATSUE』(うげやん/2003年)など。
東京国立近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、ヒューストン美術館などに作品が収蔵されている。

倉石 信乃 (くらいし しの)
写真評論家、詩人。1963年長野県生まれ。多摩美術大学美術学部芸術学科卒業。
専門は近現代美術史・写真史・美術館論。1988~2007年、横浜美術館学芸員として「マン・レイ展」「ロバート・フランク展」「菅木志雄展」「中平卓馬展」「李禹煥展」などの展覧会を担当。
2007年より明治大学理工学部准教授。1998年「写真使用法」(『武蔵野美術』109号所収)で第4回重森弘淹写真評論賞受賞。2001年よりシアター・ユニットARICAに参加、テクスト・コンセプトを手がける。
【主な著書】
『スナップショット -写真の輝き』(大修館書店/2010年)、『反写真論』(オシリス/1999年)、共著に『失楽園 風景表現の近代 1870-1945』『明るい窓:風景表現の近代』(大修館書店/2004年、2003年)など。
『沖縄写真家シリーズ[琉球烈像]』(全9巻、未来社/2010-2011年)を仲里効と監修。

清水 穣 (しみず みのる)
写真評論家、1963年東京生まれ。1987年東京大学大学院修了、1988年から1991年マールブルク大学(ドイツ)留学、1992年より同志社大学で教える。
専攻は現代美術・写真、現代音楽。1998年~2000年ケルン大学(ドイツ)客員教授。
1995年『不可視性としての写真 -ジェームズ・ウェリング』(ワコウ・ワークス・オブ・アート)で第一回重森弘淹写真評論賞受賞。
定期的にBT美術手帖、Art Itといった媒体や写真集、美術館カタログに批評を書いている。
【主な著書】
『日々是写真』『写真と日々』『白と黒で:写真と・・』(現代思潮新社/2009年、2006年、2004年)、『永遠に女性的なる現代美術』(淡交社/2002年)
【主な写真集への寄稿】
吉永マサユキ『若き日本人の肖像』(リトルモア/2009);柴田敏雄『For Grey』(Akio Nagasawa Publishing/2009);松江泰治『JP-22』(大和ラヂエーター製作所/2006);Wolfgang Tillmans『truth study center』(Taschen/2005);森山大道『PLATFORM』(大和ラヂエーター製作所/2002)など。

11月 30, 2010 イベント情報 |

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