絵本作家のアトリエ・マーシャ・ブラウンさん
子どもの心をとらえる絵本に、国境はありません。好評連載「絵本作家のアトリエ」、11月号は初の海外編です!
『三びきのやぎのがらがらどん』でおなじみの、アメリカの絵本画家、マーシャ・ブラウンさん。作品ごとに画風を変え、数々の賞にかがやく作家の素顔とは? 今年88歳のマーシャさんに、アメリカ・カリフォルニアのアトリエでお話をうかがいました。
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3月下旬、アメリカ、カリフォルニア。雲一つない青空に、さわやかな風が吹く。その人は、待ち合わせ場所のレストランの前で、にこやかに手を振っていた。紫で統一されたファッション。「お会いできてうれしいわ」と差し出された手を、思わずじっと見てしまう。
コールデコット賞に3度輝いた、アメリカを代表する絵本作家、マーシャ・ブラウン。作品ごとに全く別の顔を見せつつ、物語を生き生きと描き出す。ひとところに安住せず、常に挑戦を続けているかのような創作姿勢から人物像を想像し、緊張していた。
思い切って手をとり、握手を交わした。「遠くから、本当によく来てくださいました」──そう言われた瞬間、不安は吹き飛んだ。
故郷ニューヨークを離れ、気候のよいカリフォルニアに移り住んで十数年。アトリエは静かなアパート郡の一室にあった。
玄関のドアを開けたとたん、鮮やかな色が目に飛び込んできた。何枚もの大きなボード一面に、作品が貼られている。「眠れない夜は、スケッチをして過ごします。これは昨晩描いたもの」。
そう言って取り出したのは、小さなファイルに詰まったスケッチの数々。鉛筆が、淡いタッチの水彩、濃く塗り込められた抽象画など、そのスタイルは実に多様だ。
「一枚として同じものはないわ、だって同じことを繰り返すなんておもしろくないでしょ」。
*この続きは、本誌でどうぞ。
10月 10, 2007 今月の“立ち読み” | Permalink
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