教訓もないし道徳もない。そして文字が少ない。ひとりぼっちのおおかみが、自分に「にたこ」を探すんだけど、どこにもみつからない。主人公のおおかみは、正義の味方でも悪者でもないし、事件だって特にはおこらない。ただ、おおかみの気持ちが少し変わってゆく。…そんな不思議な絵本なのだ。そのころは中学生だったんだけれどもなんだか「信頼できる不良のおにいさん」に出会えた感じがした。うまくいかなくても、まわりと馴染むことができなくても、このままでも大丈夫かも!って。
(そぶえ しん ブックデザイナー)
『やっぱり おおかみ』
ささきまき 作・絵
32ページ 27×20cm 3才から 定価840円
初版年月日:1977年04月01日
ひとりぼっちのおおかみは、仲間を求めて、ぶたの町、うさぎの町とさまよいますが、どこへ行っても仲間はいません……。今までの絵本にはない、斬新なテーマに取りくんだ意欲作。
福音館書店は2012年2月に創立60周年を迎えました。これまでささえてくださった皆様に感謝を込めて、さまざまな企画をご用意しております。このブログで順次お伝えしていきたいとおもいます。どうぞご期待ください。
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