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わたしの好きな福音館の絵本・童話

『かばくんのふね』 宮崎吾朗

2012年5月23日 (水)

カバ好きなのは…12

今ではずいぶんましになりましたが、小さいころの僕はずいぶん引っ込み思案な子で、外で遊ぶよりも家で絵本を眺めたり、工作をしたりするのが好きな子でした。家には「こどものとも」シリーズをはじめ、沢山の絵本があって、暇があればよく絵本を眺めていました。ところが、ずいぶん沢山絵本を読んだはずなのに、インタビューなどで「子どものころはどんな絵本を読みましたか?」と質問されると、なかなか思い出せないで困ってしまうことが多いのです。そんな中で、すぐに思い出せる数少ない絵本のひとつが『かばくんのふね』です。岸田衿子さんの簡潔だけれど耳にのこる言葉と中谷千代子さんの素敵な絵。それによって描き出されたかばくんたちと洪水は、小さかった僕を魅了したのでしょう。おかげで、僕はいまでもカバが好きなのです。たぶん。
(みやざき ごろう 映画監督)






1044かばくんのふね
岸田衿子 作/中谷千代子 絵
28ページ 20×27cm 3才から 定価840円
初版年月日:1990年09月15日
子どもたちが大好きな『かばくん』が、こんどは洪水になった動物園で、大きな船になって大活躍します。ちびのかばくんも頑張ります。リズミカルで味わいのある文と絵ののどかな絵本。

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