道具を使う機会を教えてくれて、行動に駆り立てる、
本当に賢い一冊。
『冒険図鑑』のいいところは、「何かにトライしたくなる」ところと「何度でも楽しめる」ところ。
何かにトライするというのは、この本に書いてあることだけじゃなくて、とにかく外に出るモチベーションを高めてくれるんです。家には2人の息子がいて、土曜日になると子どもたちとこの本を一緒にめくって「日曜日は何をする?」と話し合います。手描きでわかりやすい絵なので、子どもたちも指を指しながら「あれやりたい」「これやりたい」と、ディスカッションが始まる。この本は、子どもと一緒に話をする機会にもなっていますね。「野菜の料理の仕方」とか「地図の見方」、「ヨモギの葉っぱでメガネのレンズを拭く」とか……。子どもと出かけた時に、披露したい技ばかりが載ってる。また、普通の本みたいに最初から最後まで一気に読むのではなくて、パラパラとめくって気になるトピックを拾い読みする。だから、何度読んでも新しい発見があるんです。もともと道具が好きなので、そういう本はよく読むんですが、この本は単なるモノとしての道具紹介だけじゃない。道具がいわゆるツールからエクスペリエンスになる。道具を使う機会を教えてくれて、行動に駆り立てる、本当に賢い一冊だと思う。
(Mike Abelson デザイナー)
『冒険図鑑 野外で生活するために』
さとうち藍 文/松岡達英 絵
384ページ 19×13cm 少年少女〜大人 定価1680円
初版年月日:1985年06月20日
歩く、食べる、寝る、作って遊ぶ、動植物との出会い、危険への対応の6章からなる野外生活の案内書。薬草、応急手当、料理の基本、観天望気など、家でも役立つページがたくさん。
福音館書店は2012年2月に創立60周年を迎えました。これまでささえてくださった皆様に感謝を込めて、さまざまな企画をご用意しております。このブログで順次お伝えしていきたいとおもいます。どうぞご期待ください。
コメント
この記事へのコメントは終了しました。